新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2022」日中メディア対話会

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日中の社会問題や国際情勢について意見交換

日中参加者全員で記念撮影

 

 

実施概要

[実施日]

2022年4月19日(火) 10:00~17:30

[日本側会場]

(公財)日中友好会館地下1階 大ホール

[参加者]

新聞・通信、テレビ等メディア関係者等

計24名

【中国側】 13名、うち発表者6名

【日本側】 11名、うち発表者7名

[テーマ]

全体 日中国交正常化50周年と日中関係の行方

午前 日中国交正常化50周年と民間交流

午後 日中関係の行方

[内 容]

基調講演、日中のメディア関係者によるテーマに関する発表、質疑応答・意見交換、総括

[実施方法]

Web 会議システム「Zoom」を使用したオンライン交流

[主 催]

(公財)日中友好会館

[協 力]

上海外国語大学日本研究センター、シンクタンク鍵叡

 日中メディア対話会は、コロナ禍下で対面での交流が叶わない中、新聞・通信、テレビなど日中のメディア関係者がオンラインで一堂に会し、日中双方より発表や自由討論を行い、日中メディア間の相互理解を深めることで日中関係の更なる発展の契機とすることを目指して実施しました。

日中関係の未来に向けた提言

 開会にあたり、谷野作太郎日中友好会館顧問が挨拶し、程永華中日友好協会常務副会長が基調講演を行いました。谷野顧問は「日本と中国は、これからもいろいろと摩擦、対立が起こるだろうが、そのような時、高いレベルの政治対話を絶やさず、トラブルが、オール日本VS.オール中国の域に広がらないよう、両国の各界、各層にわたる緊密な人脈を造り上げることが大事」と開会の言葉を述べ、程永華副会長からは「中日友好協会は、中日両国の各界の友人と共に、中日関係の次の50年に着目し、積極的に協力して交流を強化し、相互理解・友情を深め、新しい時代にふさわしい中日関係の構築に重要な役割を果たしていきたい」との言葉がありました。

胸襟を開いて率直に意見交換

 日中国交正常化50周年の節目の年にあたり、日中メディア関係者12名が「日中国交正常化50周年と日中関係の行方」をテーマに、目下日中両国が直面する問題について率直に意見交換を行いました。発表テーマは、「ウクライナ危機と日中関係」「『異なる距離』から見る中日メディアの隣国イメージ」「尖閣諸島を巡る日中対立について」「中国コロナ対策が与えた日中関係への影響」など多岐にわたり、発表を聞いた参加者からは、「中国のコロナ対策は過剰と言われるが、中国は広大で貧しい地域もたくさんあり、人口も日本とは桁違いに多いため少しの油断も許されず、日本と同じ感覚では防ぎきれない。政府のコロナ対策は多くの国民が支持している」「両国メディアは互いの悪いことしか報道しない。日中友好となるようなニュースを多く報じるべき」「日中国交正常化直後の70~80年代は日中の交流が大変盛り上がった。今年は国交正常化50周年ということで、今一度原点に戻り、友好を更に促進させるべき」といった声が聞かれました。また、日本理解を深めるために、日本の若手研究者が「異種混淆する日本のメディア環境と『参加』」というテーマで日本メディアの現状を紹介し、中国側参加者からは「日本には、一つのサイトでマスメディアを視聴しない利用者のニーズに十分に応えるプラットフォームはあるか」などの質問があがりました。コロナ禍で往来がストップする中、本対話会を通じて日中メディアが胸襟を開いて率直に意見交換する貴重な機会となったことがうかがえました。

 最後に、上海外国語大学日本研究センターの廉徳瑰教授と谷野顧問が総括を行い、対話会を締めくくりました。

プログラム

① 趣旨・進行説明

② 協力機関挨拶

③ 開会挨拶

④ 基調講演

⑤ 日中メディア関係者等による発表・質疑応答

⑥ 総括

 

 

参加者の感想

【中国側参加者の感想】

◆中国メディア関係者

日本側参加者の「心を開いて本音で交流する」、「小異を残して大同に就く」、「話すこと3割、聞くこと7割」というコメントを聞いて、コミュニケーションの重要性を再確認しました。

また、ウクライナ危機の報道に関して、日本側参加者が日本の報道を振り返り、何かが足りないと反省した、その姿勢に深く考えさせられました。

中国中央テレビの「新聞聯播」に注目し、ニュースの内容を詳しく分析したり、日中の報道の違いを比較している日本人がいることに大変驚き、多くの発見がありました。

今後、機会があったら日本へ行き、大学へ入学し、日本の政治、歴史、社会、文化、等について更に勉強したいと思います

 

◆中国メディア関係者

オンラインでの発表を通じて、日本の同業者と先輩方の中国に対する関心分野が理解でき、自身の考え方や、今後の対日交流の方向性について考える機会となりました。

 

◆中国メディア関係者

コロナ禍で日本に行くのが困難な中、オンラインを通じて、古い友人と交流することができました。また、日本の同業者の国際的な時事問題に対する考え方がとても参考になりました。特に中日国交正常化50周年の年に実施したこのメディア対話会は更に有意義だと感じました。

 

◆中国メディア関係者

日本のメディア業界の方々とオンラインで直接交流ができて、あるテーマについて日本側の認識や態度を比較的正確に知ることができたのが収穫です。

特に日本側の考え方の角度に、中国側と異なるところがあるのが非常に参考になりました。

 

【日本側参加者の感想】

◆日本メディア関係者

それぞれの発言者の発言の後に意見を言う時間が設けられたのが、とてもよかったと思いました。そのおかげで、多くの参加者に発言の機会ができましたし、日中の参加者間で言葉のやりとりが生じ、まさに交流になっていたと思いました。時間的にも余裕ができ、全体の進行もスムーズになったと思います。やはり対話とは双方向であるべきで、参加者が一方的に自分の発表をするというのではなく、今回のように言葉の応酬があるのが好ましいと改めて感じました。

 

◆日本メディア関係者

中国ではコロナ禍で上海がロックダウンになるなど厳しい状況のなか、オンラインという形で交流できたのは貴重だった。発表でも触れたように、なかなか日中間で直接、コミュニケーションをとれないことが、現在の最大の問題であり、今回の「会合」はそのギャップを埋める役割を果たしたのではないか。

 

◆日本メディア関係者

日中関係というナショナリズムに還元されがちなトピックについて双方の事情通同士で忌憚なく対話できたと思います。中国のメディア事情についても勉強になりました。

 

◆日本メディア関係者

日中双方の記者が本音ベースで意見を言い合い有意義な対話会でした。

日中の参加者が率直に現状認識と意見感想を述べられ、参考になりました。

尖閣諸島を巡る日中双方の分析は興味深く、「棚上げ」しか解決の方法はないとの認識では一致したように思われました。個人的には大きな「収穫」でした。

 

◆日本メディア関係者

中国各地から様々なメディア関係者の声をきけた点がよかったと思います。また日本からの出席者の発言につては、あらかじめプリントして配っていただいたので、内容が頭に入り易かったです。出席者の一人が、尖閣諸島付近での漁船衝突事件に関して、衝突の際のVTRを見せていましたが、中国ではあまり見られることのない映像だと思い、交流会でお互いが何を報道しているかを知るという意味では効果的だったと思います。全体として中国側は、日本人の対中感情が悪化しているのは、日本の報道機関が中国の悪い点ばかりとりあげ、良い点をとりあげないからだ、と主張していたように思いますが、日本側としては、報道機関は、国民感情を誘導するための宣伝機関ではないこと、中国に悪い点があればそのまま報道するのが自然であると考えている一方で、中国の良い点はもっと報道してもよいと考えていることなど、率直な意見交換ができたことは有意義だったと思います。