青少年交流事業
招聘

「JENESYS2025」中国法律・メディア関係者訪日団

本事業は、 中国各地で活躍する改革派・人権派弁護士及びこれらの弁護士と親交があるメディア関係者を招聘し、 「法とメディアにおける日中相互理解の促進及び法治と報道の未来の考察」 をテーマに、日本の各分野の法律専門家やメディア関係者との交流、 司法機関・部門への視察を通じて、同分野での日中間の関係構築の一層の強化を図るほか、日本の経済、 社会、 文化、 歴史等に関する視察など、 多面的な日本理解につながる活動を行いました。

日本の法律、メディア関係者との交流

法律の専門交流として、日本弁護士連合会では「刑事弁護と捜査機関」について、中央大学法学部では「日本の行政救済法」について聴講しました。また、メディア交流ではTBSテレビ、日本経済新聞社を訪問し、それぞれ概要紹介等を受けました。どの訪問先でも双方から活発に質問が出て、日中相互理解への有意義な時間になり、政治体制が異なる両国の法とメディアの相違点について理解を深めることができました。

高野山と奈良で日中交流へ思いを馳せる

地方は和歌山県と奈良県を訪問し、日中友好の先駆者でもある空海が開いた高野山をはじめ、奈良県では法隆寺、唐招提寺、東大寺を参観しました。古代から続く日中文化交流の歴史を体感し、日中友好の重要性を再認識できました。また、高野山では宿坊も体験し、日本ならではの生きた伝統や文化、信仰心を肌で感じることができました。

招聘期間 2025年10月19日(日)~10月25日(土) 6泊7日間
招聘人数 8名(団長1名、団員7名)
実施団体(公財)日中友好会館
派遣協力 在中国日本国大使館
内  容・訪日テーマに関する講義、交流、視察
・日本に対する包括的理解促進につながるプログラム等
10月19日(日)PM 来日、神保町 視察
10月20日(月)AM 日本弁護士連合会 訪問・交流
PM 中央大学法学部 訪問・交流、歓迎会
10月21日(火)AMTBSテレビ 訪問・交流
PM 日本経済新聞社 訪問・交流
10月22日(水)AM和歌山県へ移動
PM 高野山 参観、空海についての法話、宿坊体験
10月23日(木)AM奈良県へ移動、法隆寺 参観
PM 唐招提寺、東大寺、奈良公園 参観
10月24日(金)AM東京へ移動
PM東京国立博物館 視察、歓送報告会
10月25日(土)AM帰国

◆日本弁護士連合会での専門的意見交換では、法律家共通の使命を感じ取り、中央大学法学部での学術的議論では法の精神の真髄を探求し、TBSテレビと日本経済新聞社との交流ではメディアの責任と力を目の当たりにしました。法律とメディアに携わる者として、我々は肩に負う責任の重大さを深く認識しています。法の支配と表現の自由は、現代文明社会の二大支柱です。より成熟した中日関係を構築するためには、専門精神をもって相互理解を深め、誠実な交流で隔たりを解消することが一層求められます。率直な対話の一つ一つ、協力プロジェクトの一つ一つが、両国関係の新たな道を切り開いています。

◆中日両国の社会、法律、教育、メディア分野における相違点と共通点、そしてそれらのつながりを間近で多角的に観察し、考察する機会を得ることができました。日本弁護士連合会を訪問し、日本の法律関係者のプロフェッショナリズムと司法公正への揺るぎない追求を深く感じるとともに、社会における公平と正義の推進に向けた彼らの努力についても理解を深めました。中央大学法学部を訪問した際には、濃厚な学術的雰囲気と開放的な交流環境に深い印象を受けました。また、代表的なメディア機関2社を視察したことで、情報発信の源流から日本社会の世論形成とメディア業界の運営ロジックを理解するとともに、メディアが両国民相互理解の促進において担う重要な責任を実感しました。今回の交流は、知識の拡充と視野の拡大にとどまらず、心の深い感動をもたらしました。両国の国情や発展段階は異なるものの、多くの分野で類似した機会と課題に直面していることを痛感しました。直接の対話は隔たりや誤解を効果的に解消し、貴重な個人的な友情と専門的なつながりを築くことができました。このような深く持続的な民間交流こそが、両国関係の長期的な発展を築く確固たる礎であると確信しています。

◆日本文化の保存に向けた取り組みに深く感銘を受け、中日文化が歴史の中で不可分であることをより実感をもって理解しました。日中友好会館の手配により、TBSテレビで新たな首相、特に女性首相の選出を目の当たりにしました。これはアジア諸国における女性の政治的展望を広げる上で大きな励みとなります。また、東京・神保町にある内山書店では、魯迅氏との深い縁と豊かな文化的背景を持つ文化機関を目の当たりにしました。100年前の両国交流の歴史や、日本が新中国成立に与えた啓蒙的影響について具体的な理解を得ることができました。中日美学と文化は一脈相通じるところがありますが、法制度においては相互交流と理解が不足しています。こうした面において、中国は一衣帯水の隣国である日本から多くを学ぶ必要があると感じました。

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