「JENESYS2025」中国大学生訪日団
本事業は、 日本語専攻の中国大学生・大学院生27名を日本に招聘し、日本の大学生との交流を行うことによる同世代間の友情醸成、訪日テーマ「ウェルネスライフ」に関するセミナーの受講や体験学習、また地方での民泊体験等を通じた、団員の多面的日本理解の促進を目的として実施いたしました。






Contents
Highlight
日中大学生交流会の実施
日本側からは訪中経験のある大学生等21名が参加しました。日中の大学生が混在し8つのグループに分かれ、「日中の大学生の今」をテーマに、結婚観、将来の仕事、教育事情などの身近な話題をグループごとに話し合い、最後に各グループの代表者が発表を行いました。日中間の文化的な相違点や共通点が明らかになり、同世代間の相互理解の促進につながりました。
(2025.11.13 活動報告リンク)
日中大学生交流会を実施しました
訪日テーマ「ウェルネスライフ」に関連するセミナー受講
現代の日本社会が目指している概念のひとつ「ウェルネスライフ」に関連して、順天堂大学と大分県庁でそれぞれセミナーを受講しました。順天堂大学では主に部活動という日本特有の制度が青少年の育成に与える影響について、また大分県では県が取り組んでいる「健康寿命」の延長に関連する施策についてご講義いただきました。団員は興味深く聞き入り、体力テストにおける基準の設定方法や、行政が市民に効率的に施策を周知する方法などについて質問が出ました。
大分県由布市で民泊体験
大分県由布市で民泊体験を行いました。受入家庭は7家庭で、各家庭では単に宿泊するだけでなく、竹細工や農作業、温泉等、貴重な体験をすることができました。都市部とは異なる自然豊かな土地での民泊は団員にも印象が深かったようで、団員の多面的な日本理解につながりました。
実施概要
| 招聘期間 | 2025年11月9日(日)~11月15日(土) 6泊7日 |
| 招聘人数 | 30名(団長1名、事務局2名、団員27名) |
| 実施団体 | (公財)日中友好会館 |
| 派遣機関 | 中国日本友好協会 |
| 内 容 | ・日中大学生交流会への参加 |
| ・大学訪問 | |
| ・訪日テーマ「ウェルネスライフ」に関連するセミナー、視察 | |
| ・日本の経済・社会・文化・歴史に関する視察、体験プログラム等 |
主な日程
| 11月 9 日 | (日) | PM | 来日、都内視察 |
| 11月10日 | (月) | AM | 順天堂大学訪問・セミナー |
| PM | 慶應義塾大学キャンパスツアー、国会議事堂視察、歓迎会 | ||
| 11月11日 | (火) | AM | 日中大学生交流会 |
| PM | 大分県に移動 | ||
| 11月12日 | (水) | AM | 大分県庁訪問・セミナー |
| PM | 宇佐神宮視察、別府地獄巡り | ||
| 11月13日 | (木) | AM | 砂湯体験 |
| PM | 民泊体験(入村式) | ||
| 11月14日 | (金) | AM | 民泊体験(離村式) |
| PM | 東京に移動、歓送報告会 | ||
| 11月15日 | (土) | AM | 帰国 |
参加者の感想
◆今回の視察と交流を通じて、日本社会の競争力の源泉は、単に先端技術にあるのではなく、技術・マネジメント・人文精神・社会的合意を高いレベルで融合させる「システムとしての力」にあることを強く実感しました。限られた資源や空間の中で、細部への徹底したこだわり、人間中心の動線設計、そして高い協調性に基づく社会的連携によって、高品質で信頼性の高い製品とサービスを生み出しているのだと深く理解することができました。
◆順天堂大学は、日本で有名な医学系の大学です。訪問時には、日本における市民スポーツの重要性について紹介していただきました。運動を強化することで体力を向上させ、抵抗力を高めるという考え方は、中国の大学ではあまり取り入れられていない部分であり、中国の関係者にとっても学ぶべき点だと感じました。
◆日本の大学生との交流を通じて、中日両国の若者の間で、生活観・価値観・結婚観・就業観などにおける違いを強く認識しました。こうした意見の交流は、私の国際的な視野を大きく広げると同時に、言語によるコミュニケーションの深みを感じさせ、語学学習の重要性を改めて実感させるものとなりました。
◆大分県では、健康増進政策に関する講義を聴講し、地方自治体の積極的な取り組みに対する理解を新たにしました。宇佐神宮や別府地獄温泉を訪れ、「地獄蒸し料理」などの特色ある食文化を体験することで、日本の自然や食文化の独自性を深く実感しました。最後の日の民宿での体験では、温かくもてなしていただき、日本の人々の日常生活や細やかなもてなしの心に触れ、心から温かさを感じました。
◆最終日には民泊体験をしました。受入家庭の方々は、地元の自然や美しい風景を案内してくださり、まるでアニメの世界に入り込んだかのような感動を覚えました。また、日本の抹茶文化や伝統的な食事も体験させていただき、日本についての理解をさらに深めることができました。 今回訪れた東京と大分は、全く異なる雰囲気を持つ場所でした。東京はより繁栄して賑やかであり、大分は静かで落ち着いた環境でした。両地域を訪れることで、日本の風土や人々の暮らしに対する理解を深める貴重な体験となりました。