❘❘❘❘ 現代の日本と中国における大学生意識 ❘❘❘❘❘
【2025年11月・日中大学生交流会】
2025年11月11日、日中友好会館では「JENESYS2025」中国大学生訪日団の活動の一環として、日中大学生交流会を実施し、「日中大学生の“今”」をテーマに議論しました。
本交流で交わされた学生たちの率直な言葉をもとに、日中大学生の意識や価値観をまとめました。

同じように漢字を使い、お箸を使い、儒教文化の影響を受けてきた国だからこそ、中国を日本人の価値観で捉えてしまっている日本の方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。これは中国にも当てはまります。日本に興味を持っている中国の方でも、日本という国を中国の物差し(価値観)で測ってはいないでしょうか。お隣同士ですが、 全く違う国であるということを肌で感じる、 そんな経験こそが、 より深い相互理解につながると思います。このような思いから、本交流会では大学生の日常生活、 将来像について、率直に語っていただきました。
参加者の多くは、就職活動、大学生活、結婚観について話していました。大学受験が人生のターニングポイントとして重く捉えられていること、 就職難がより深刻化していることを語る中国の学生が多くみられました。また、あるグループでは結婚観について熱く議論されていました。中国の学内での恋愛は、 大学が全寮制であることなどから、 日本の恋愛文化とは大きな違いがあります。さらには、結婚の際に直面する金銭的な課題など、現実的な問題についても話し合われました。

現代の日本と中国の大学生が何を考え、何を悩み、どのような将来を描いているのか。
日中関係や学生意識に対する新たな発見や学びにつながれば幸いです。
※ 以下は、日本及び中国の大学生を対象として実施した交流会の内容を、学生による記述、発言に基づき整理したものです。
記載内容は、いずれも参加学生の主観的印象、経験、価値観に基づいており、統計的な裏付けを示すものではありません。

【学生のコメント】
中国では安定と福利厚生を重視し、 公務員が人気である一方、 日本では公務員人気が低く、 給与水準の高い企業や海外で活躍できる企業を選ぶ傾向がある。

・金融、マーケティング業界が人気である
・人手不足により、就職浪人はほとんど見られない
・修士課程進学率は 約9.7%(主に理系)である
・近年海外で活躍する職種の人気が上昇している
・大学での学びと関連する職を志望する学生が多い
・就職活動が早期化している
・転職への心理的ハードルが低下している

・就職難が指摘されている
・公務員の人気が高い
・就職時に安定と福利厚生を重視する傾向にある
・修士課程進学率は約70%程度である
・就職活動を先送りするため進学する例がある
・就職せず、親に依存して生活する学生が一定数存在する
・大学院進学の方が就職しやすいとされている
・海外で働くことはあまり人気が高くない
・近年はインフルエンサーになりたいという人も多くいる

【学生のコメント】
両国ともテレビ視聴は少なく、SNSで情報を収集する学生が多い。ファッション、グルメに関する情報の収集にSNSが活用されている。大学教育の仕組みには差があり、中国は受験競争率が高く、日本に比べ、大学のレベルと就職の関連性が大きい。

・受験生でも部活動に参加する
・宿題や課題の量が比較的少ない
・講義を学生自身が選択できる
・大学生活は娯楽性が高いものとして捉えられている
・カフェやカラオケを利用する学生が多い
・Instagram、YouTubeの利用頻度が高い
・課題にAIを利用するが、すべてをAIに代替させることはない

・大学は全寮制である
・時間割は配布され、学生自身が講義を選択しない
・講義によって授業時間が異なる
・地域差による学力格差が存在する
・大学生活は学習中心である
・少人数制で評価が厳しい
・小紅書、bilibiliの利用が多い
・アニメ、韓国ドラマを視聴する学生が多い

【学生のコメント】
日本では女性が働きやすい環境があり、中国では結婚時の家・車の提供および結納金の負担がある。日本は感情的幸福、中国は安定の確保を重視する傾向があるという意見があった。

・結婚しない選択をすると「売れ残り」とされる場合がある
・独身のほうが就労しやすいという印象がある
・地方在住者は結婚時期が早い傾向
・子どもを望まない学生がいる
・自由が制限されるため結婚を望まないという意見がある
・結婚手続きが煩雑という印象がある
・結婚よりペットを飼うという選択肢をとる例がある
・家族形成による幸福度上昇を期待する学生がいる
・互いを支え合えるパートナーを求める人が一定数いる
・同棲は結婚の責任とはみなされないことがある
・同棲によって相手の欠点を理解できるという意見がある

・地方では物価高騰で賃貸負担が重い
・結婚後も金銭的安定のため就労する人が多い
・就職難による大学院進学が増加し、晩婚化が進んでいる
・結婚の利点は「特別な関係を築けること」との意見がある
・不安を感じると相手への気持ちが冷めるため、束縛を望まないという声がある
・結婚相手の条件として、学歴・将来性・安定職・収入差・五金(※)の贈与・
家または車の提供・結納金が挙げられる
・同棲を望む学生は少ない
・結婚式に漢服を用いる例が増加している
※五金(結婚五金):中国の伝統的な婚礼習俗における金の装飾品セット。
一般的には金のイヤリングやブレスレットなどが用意される。

【学生のコメント】
日本でも、女性の見た目を指す場合、中国と同じ使い方。

・「可愛い」は外見・仕草に対して用いる
・守りたくなる対象に対して使用する
・目上の人への使用は失礼とされる

・「可爱」は「愛すべき」という幅広い意味をもつ
・外見に限定されない
・スタイルの良さには使用しない
・功労者や偉人に対しても用いる
・国への貢献度が高い人に対して使われることが多々ある

【学生のコメント】
日中どちらでも異性に高価な贈り物をする行為は浮気と捉えられる。

・隠し事をすること
・異性と二人でお酒を飲むこと
・目的を持って異性と会うこと
・ナンパをすること
・風俗店の利用はサービスとみなし、浮気ではないとする例がある
・幼馴染は家族として扱うことがある

・身体的・心理的つながりを持つこと
・異性との約束を隠すこと
・風俗店の利用は浮気とされる
・幼馴染と結婚する例があるため、距離を取る傾向がある
・大学が全寮制であるため、異性と二人でお酒を飲んでも浮気とみなされにくい