新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2019」中国青年代表団 フォローアップ オンライン交流

2020年12月10日、中国青年代表団フォローアップオンライン交流を開催した。本交流は、2019年度に実施した対日理解促進交流プログラム「JENESYS2019」のフォローアップの一環として実施した。

2019年9月に招聘した中国青年代表団は、公務員分団と農村青年幹部(大学生村官)分団で構成され、静岡県掛川市を訪れた。農村青年幹部分団は掛川市の「農業振興政策」をテーマとしたブリーフを受け、トマト農家や道の駅を視察した。今回のオンライン交流には、農村青年幹部分団の団員5名と受け入れ先である掛川市の関係者3名が参加し、農業振興に関する交流を行った。

中国側は、帰国後に行った、地域農業の発展や活性化に向けた取り組みや活動、掛川市の取り組みを参考に実施した事例を発表した。若者のUターン就職やオンライン販売による農村の貧困脱却推進策、観光農業資源の活用など、地域の実情を踏まえた、農村青年幹部ならではの主体的な取り組みを共有した。また、交流に先立ち、団員は「掛川市ではUターン就職促進のためにどのような取り組みをしているか」「地域の特色ある農産品の発展や多様な産業の融合的な発展のため、どのように取り組めば良いか」「ウィズコロナが常態化する中、農産物の安定的な供給のための販売、輸送、管理面等における取り組みは何か」「道の駅にある飲食店や直売店等の施設について、掛川市の管理や運営方法を紹介してほしい」など、訪日時に得た知見を自国で活かす中で新たに抱いた疑問を挙げ、掛川市の関係者は、時代の変化に応じた新たな取り組みや同市の現状を紹介しつつ回答した。

最後の総括として、中国側代表者は「今日の交流を通じ、日本のウィズコロナ時代の地域農業振興について勉強することができ、これからの取り組みに向けて力をもらった。今後も引き続き農村に根差し、貢献していきたい」と述べ、日本側代表者は「視察の成果が現場で展開されていることを嬉しく思う。日本では高度経済成長期に農村の過疎化が進み、農村の維持が困難になった。今はコロナにより日本全国の経済活動が落ち込んでいるが、ポストコロナの時代、農村には大切なヒントがたくさんあり、再び農村から学ぶ時代が来たといえる。コロナを体験した今、都市と農村がそれぞれの強みを活かし、循環型の地域経済を目指すことが重要だ」と締めくくった。

中国側参加者からは「掛川市の回答は専門性が高く、そこから多くのことを学び、農業振興について深く考えさせられた」「中日両国はともに、農業振興では高齢化や土地放置問題に直面している。互いに学び合い、長所を取り入れ、短所を補い、ともに発展していくことが大事だと思う」「今回の交流で得た知識・経験を地域の諸問題解決のために役立てていきたい」、日本側参加者からは「中国が推進する農村建設の事例を聞くことができて参考になった。今後もより深く相互に学び合えることを期待する」などの感想が聞かれ、日中双方の参加者が互いに理解を深めながら、農業・農村の価値を再認識し、新たな視点や気づきを得ることができた。

オンライン交流参加者による記念撮影

オンライン交流参加者による記念撮影