新時代を担う日中友好の架け橋に

日中青少年交流事業 参加者のその後のストーリー(第10回)

 日中青少年交流事業の過去の参加者の方に、それぞれの「その後」のストーリーをうかがう当企画。

 今回は、2017年の中国大学生訪日団に参加し、中国で日系企業に就職した陳浦放(ちん ほほう)さんのインタビューを紹介します。

陳浦放さん プロフィール

上海大学 機械電子工学・自動化学院に在籍していた2017年(大学4年時)、「日中植林・植樹国際連帯事業」中国大学生訪日団第1陣(文化)に参加。卒業後は三菱電機上海機電電梯有限公司に就職、検査技術科で活躍中。

 

 

 

日本の工業生産理念を学び、文化風習や生活習慣を理解・体感

― 訪日活動の最大の収穫は何でしたか?

 

陳:まず、トヨタ産業技術記念館や四日市公害と環境未来館、千歳清掃工場等の見学をしたことで、日本の工業の発展水準についてより直接的に認識することができ、「JIT(ジャストインタイム)」「指差し呼称」等、日本で生まれた工業生産理念を学ぶことができました。

 また、多くの日本の文化風習と生活習慣を理解することができました。例えば、結婚するときには白い「紅包*」を送ることや、訪日中に使用していた日本側事務局の緊急連絡先が書かれたカードを、帰国の際に回収・廃棄すること等、いろいろな点で日本の「人にやさしく、事実に即して問題を処理する」という考え方を体感することがありました。

 *紅包…中国でお祝いや賞与等を渡す際に用いられる、赤い祝儀袋に包んだお金。

 

優秀な品質管理技術者を
目指して奮闘中(左が陳さん)

― 訪日中に見聞きしたことはその後の生活、学業、就職、仕事の方向性を決めるのに役立ちましたか?

 

陳:訪日をきっかけに、日系企業に就職しました。また就職後、日本語能力試験N2に合格しました。

 

― 現在計画していることや将来の目標はありますか?

 

陳:現在従事している仕事について言うと、日本国内のエレベーター市場は飽和傾向にあるため、多くの技術を輸出して海外市場を拡大しているところで、これは正に日本の先進工業技術を学ぶチャンスです。将来は優秀な品質管理技術者になって、我が国の都市化建設や垂直搬送機器の発展に貢献したいと思っています。

 

― 日中青少年へのメッセージをお願いします。

 

陳:日本の青少年へ:日本の若者たちに中国に遊びに来てほしいです。中国で「食べる」だけでも満足できると思います。この国のグルメは青椒肉絲や麻婆豆腐といったシンプルな料理だけではありません。「八大料理」は毎日違うものを食べても一年以上かかるし、料理の後にはデザートに大きなスイカや果物があります。食後のくつろぎの時間には、きっと中国人のもてなし好きの一面を体験することになるでしょう。

中国の青少年へ:日本文化に興味を持つ中国青年は日に日に増え、また日本へ旅行や留学に行く人もますます増えています。それと同時に、中国のすばらしい文化もどんどん海外に輸出してほしいです。例えば日本のアニメや風習、飲食文化等がそうであるように、もっと多くの外国人が中国を理解し好きになってくれたらと思います。