「JENESYS2020」中国社会科学院青年研究者代表団 第1回オンライン交流

 2021年4月26日、「JENESYS2020」中国社会科学院青年研究者代表団 第1回オンライン交流を開催した。本プログラムは、コロナ禍での対日理解の更なる深化、日中両国研究者間の恒常的ネットワークの構築を図ることを目的とし、2021年9月まで実施が延長された対日理解促進交流プログラム「JENESYS2020」の一環として実施した。

 オンライン交流には、中国社会科学院に所属する若手研究者7名と日本人研究者1名が参加し、日中双方より「防災・減災」に関する発表を行い、意見交換した。

 先ず、日本側参加者の東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻 池内幸司教授が、「水関連災害の防災・減災対策」というテーマで講演した。日本の河川流域の特徴や総合的な治水対策、気候変動を踏まえた今後の水害対策のあり方などについて説明があり、中国側参加者から「日本の災害対策管理体制はどのようになっているか。種類を分けて管理しているか」「危険区域に指定されている土地から離れたくない住民に移住を促すために、どのような対策をしているか」などの質問が挙がった。

 その後、中国側参加者の中国社会科学院工業経済研究所 劉佳駿副研究員より、「中国の危機管理70年:防災減災から強靭化整備まで」というテーマで発表した。中国の自然災害の特徴と分布、歴史的段階による災害危機管理対策の変化や成果、今後の整備目標について紹介があり、池内教授から「SARSは、社会にどのような影響を与えたのか。それに対しどのような対策を行ったか」「災害発生時の被災支援はどのように行っているか。支援金はどのように拠出するか」「新設された緊急対策管理部とは、どのような組織で、どのようなマネジメントをしているのか」などの質問が挙がった。互いに相手国の災害に関する対策や管理体制に関心を持ち、活発に意見交換が行われた。

 交流終了後、中国側参加者からは、「今回のオンライン交流を通じて、日本の防災・減災、特に水災害における対策や取り組みについて、より直接的で深い理解が得られた」「中央から地方に至る災害対策組織の構築及び、段階的な法整備やメディアを通じた被災者への情報提供など、日本で行われている対策は、災害発生時の冷静な対応や社会的秩序の維持のための鍵だと思う」などの感想が聞かれた。

 また、池内教授からも「中国の重大災害に関する歩みの中で、SARS対応の経験が大きな契機となっていることが、特に興味深かった。また、SARS対応の経験が、コロナ対応にも生かされていると感じた。防災対策について、マイナスをゼロにするということだけでなく、防災に関する新たな産業を立ち上げていることも分かり、参考になった」などの感想が聞かれ、日中双方の参加者が、互いの防災対策への理解を深めることができ、大きな収穫を得たことがうかがえた。

オンライン交流参加者による記念撮影

オンライン交流参加者による記念撮影

ページトップへ