新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2021」中国農村青年幹部オンライン交流

 2021年9月29日、「JENESYS2021」中国農村青年幹部オンライン交流を開催した。本プログラムは、中国の農村青年幹部と日本の農業関係者によるオンライン交流を通して、農業分野における相互理解の更なる深化、恒常的ネットワーク構築を図ることを目的とし、外務省が推進する「JENESYS2021」の一環として、(公財)日中友好会館が実施した。

 オンライン交流には、中国河北省および北京市の農村青年幹部12名と広島県の農業関係者(世羅高原6次産業ネットワーク)6名が参加し、「六次産業」をテーマに日中双方より取り組みを紹介しあい、質疑応答、意見交換を行った。

 先ず、中国河北省の参加者が、地元の特産品であるロバ肉の加工品やロバ肉焼きのイベント開催など中国農村の「一二三産業融合政策」への取り組みを紹介し、北京市の参加者は、農業分野における発展モデルの柱の一つであるインターネットを活用した農業の近代化について紹介した。日本側参加者からは、日本では農家個人が六次産業化への組織づくりを行っているが、中国は国を挙げて体制を整えているようで、規模が大きくうらやましいとの感想が聞かれた。

 その後、日本側参加者の世羅高原6次産業ネットワーク(世羅高原の農業及びその加工品の普及拡大、観光促進を目的に生産者団体が連携する組織)より、六次産業化への取り組みや課題、六次産業化による成果、組織で活動することのメリットなどについて説明があり、中国側参加者から「オリジナルブランドを作り上げるためにどのような取り組みを行ったか」「農業は天候や自然災害に左右されやすいが、どのような対策を取っているか」「世羅高原6次産業ネットワークの加盟団体には、どのような権利があるか」などの質問が挙がった。また、中国側から事前に提出された六次産業化に関する質問に日本側が回答した。

 交流終了後、中国側参加者からは、「六次産業化において日本は個人による発展を重んじ、中国は集団での産業発展を重んじるが、互いによい部分を取り入れ、足りない部分を補えば、より良い仕組みができると思う」「世羅高原6次産業ネットワークの強いチームワークを感じた。農業に対する姿勢や意識をもっと高めなければいけないと思った」「六次産業について学んだ知識を村の発展に応用したい。機会があれば日本へ行き、実際の現場で学びたい。きっと感激するだろう」などの感想が聞かれた。

 また、日本側参加者からも「角度の違った視点から見ると新鮮で参考になった」「他国の六次産業を知れたことは良かった。スケールが大きい中国らしい取り組みが聞けて刺激になった」などの感想が聞かれ、日中双方の参加者が、互いの六次産業の仕組みや課題等について理解を深めることができ、大きな収穫を得たことがうかがえた。

参加者の感想

参加者全員で記念撮影

参加者全員で記念撮影