新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2020」第2回日中大学生オンライン交流

 

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日中両国からたくさんの学生が参加

日中両国からたくさんの学生が参加

参加大学生が選んだ仕事を選ぶ上で重視する項目のマトリックス図

参加大学生が選んだ仕事を選ぶ上で重視する項目のマトリックス図

 

動画:【私たちの働き方】第2回日中大学生オンライン交流

 

実施概要

実施日 : 2021年10月28日(木)15:30~18:00

主 催 : (公財)日中友好会館

協力機関: 中国日本友好協会

参加者 : 中国大学生 20名(四川省、重慶市)、

      日本大学生 19名(国際基督教大学、

      横浜市立大学、立教大学)

 

内 容 :

「私の理想の働き方」をテーマに、日中の大学生がグループディスカッションを行い、成果等を発表

 

実施方法:

Web会議システム「Zoom」を使用したオンライン交流

 

 第2回日中大学生オンライン交流では、短時間でも深い交流ができるよう、テーマを「私の理想の働き方」とし、日本と中国の大学生がグループディスカッションを行いました。働き方改革は日中共通の課題であり、近年、日本では「ゆるい就職」、中国では「寝そべり族(躺平)」など、若者の働き方を含む人生観が多様化しています。日中の大学生が仕事を選ぶ上で重視する要素を話し合うことで、互いの価値観や人生観を明らかにし、相互理解と友好促進を図ることを目的として本交流を実施しました。

立教大学の跡部千慧助教によるインスピレーショントーク

 冒頭、立教大学コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科の跡部千慧助教に、「10年後の働き方を考えよう」をテーマにお話をうかがいました。参加学生は、昨今の仕事の生産性に関する考え方の変化を学び、10年後どのような自分になりたいか、誰の(何の)役に立ちたいかなどを考えました。

「私の理想の働き方」をテーマにグループディスカッション

 参加学生は、52項目の働き方に関するキーワードの中から、事前に一人一人自身が重視する5項目を選んでおき、当日は、グループに分かれディスカッションしました。各キーワードは、「安定志向」「大手/堅実志向」「フリーランス/ 手に職志向」「ベンチャー / 起業家志向」の4つに分類されており、グループメンバーが選んだ項目をもとに、メンバーの傾向や特徴について分析しました。

ディスカッションの成果を発表 

 各グループの代表者がディスカッションの内容・成果を発表しました。「国や社会に貢献するため、仕事を通して社会課題に挑戦したいというのが両国学生の一致した思いだった」「仕事は高いモチベーションが持てるものであるべきと考える人もいれば、逆に、仕事はあくまで人生をより良くするための手段と考える人もいた。そこから仕事以外の価値感や日中の共通点などについて話し合った」「ジェンダー問題が職業選択に影響している。この課題に対し、私たちは各々の性別・立場から挑戦しようと話し合った」などの発表がありました。

プログラム

①   開会、参加者紹介

②   インスピレーショントーク

跡部 千慧  立教大学 コミュニティ福祉学部

      コミュニティ政策学科 助教

③   グループディスカッション

5つのグループに分かれて、各自が仕事を選ぶ上で最も重視する5つのキーワードと選んだ理由を紹介し、グループ内で出た意見の傾向や特徴を分析した。

④   交流内容発表

各グループの代表者が、グループディスカッションで出た意見とその分析を発表。

⑤   講師による講評

跡部 千慧  立教大学 コミュニティ福祉学部

      コミュニティ政策学科 助教

 

 

 

 

参加者の感想

【中国大学生の感想】

  成都大学 学生

中国と日本の学年や専攻が異なる大学生たちとの交流を通じて、国や分野によって、就職に対する考え方は全く違うことがわかりました。 しかし、より良い自己実現を目指したい、社会のために少しでも多くの価値を創造したい、という情熱や追求心は同じです。交流会では、働き方だけでなく、ジェンダー問題、採用プロセス、さらには個々の専門分野についても深く議論され、70分の中で話せば話すほど、「もっと知りたい」という気持ちが強くなっていきました。今後もぜひこのような機会をいただきたい、もっと充実した交流をしたいと切に願っています。

 

 成都大学 学生

このオンライン交流を通じて、中国と日本の若者の交流が深まりました。それだけではなく、心が豊かでしっかりとした考えのある方々と出会い、良い日本の友人ができたことは、私にとって思いがけない収穫でした。

 

  成都大学 学生

 今回の交流会で、中国と日本の大学生の就職に対する考え方の違いや共通点をより深く知ることができました。私たちは皆、明るい未来に希望を抱きつつも、同時に様々な社会環境による様々なプレッシャーに直面しているので、そのような共通点から一緒に会話がしやすく、気持ちを共有することができました。

 

 

 成都大学 学生

最大の収穫は、たくさんの良い友人に出会えたことです。また交流を通じて、職業の選択は、やはり各自の専攻や自分自身への理解とも関係していると少しずつ分かってきました。例えば、日本の大学生が専攻を決めるのは3年生になってからですが、中国の大学生は大学入学前に専攻を選択します。ですから、日本の大学生はより多くの時間をかけて自分自身の強み、弱み、自分の好きなことを理解し、そのうえで専攻を決めることができます。一方、中国の大学生は、自分の専攻や将来の就職について考える時間が少ないため、その専攻内容が自分が当初思っていたものとは大きく異なることがわかった場合でも、我慢して勉強を続けるしかありません。たとえ専攻を変更する機会があったとしても、優秀な成績が必要となります。この交流会は大変よかったと思います。

 

 重慶交通大学 学生

この交流に参加できたことを光栄に思います。 両国の大学生との交流を通じて、就職観の違いは、実は個人の性格と大きく関係していることがわかりました。これにより、自分自身の視野を広め、見識を深めることができました。一方で、キーワードマトリクス図の分析では、自分の内面にある本当の考えに気づくこともできたので、今回の交流会はとても有意義で、参加できたことを光栄に思います。

 

 重慶医科大学 学生

違う国の考え方や問題点を知ることは、私にとって新しい体験でした。 中国の古い言葉に「書物より得られた知識は浅いもの、物事は実践を経て会得する。」というものがあります。 私にとって、このイベントで初めて他の国の人たちとの対面交流になり、良いスタートを切ることができました。

 

 

【日本大学生の感想】

 国際基督教大学 学生

キャリアに関して他の参加者がどのような考えや理想を抱いているのかを知ることも良い学びではあったが、それよりも、交流自体が印象に残った。コロナ禍で新しい交友関係を作るのが大変難しい中、知り合ったばかりの仲間と話に花を咲かせるのが純粋に楽しかった。個人レベルではこうやって仲良くなれるのに、なぜ国同士となるとそうもいかないのかが不思議でならない、と改めて思った。

 

 国際基督教大学 学生

まず、今回のような機会をご用意してくださり、ありがとうございました。国際交流の活動をする中で、中国の学生さんとお話をする機会はあまりないので、とても貴重な体験になりました。私は政治に関心があり、日々対中外交や中国経済のニュースに触れているため、中国の学生さんは自分と全く異なる生活をし、考えを持っているものだと思っていました。しかし、対話をする中で、異なる点よりも似ているところの方が多いことに気がつきました。例えば、私のグループ内で「能力の高い人と働くこと」を選択した人がたくさんいました。専攻も経験も違う中で、働くことに関して似たような価値を見出している人がいるのだと感じました。

ディスカッションは楽しめましたが、少し大変だと感じたこともありました。それは、私たちの発言はどれも日本を、中国を代表したものではないことです。コロナ禍で日本の人の働き方はどのように変わったのか質問された時には、少し戸惑いがありました。なぜなら、私の親の働き方は、その職柄からあまり変わらなかったからです。「日本の人」という質問に答えようと、見聞きする「偏見」のような答えしかできませんでした。交流後に気がついた反省点ですが、お互いに、国を代表しているのではないと認識できたら良かったと思います。

 

 横浜市立大学 学生

今回の交流会で、テーマであった「理想の働き方」について、国を超えた意見というよりも、仕事に対する多種多様な意見や考えを知る機会となった。

中国の大学生との交流会ということで、文化の違いによる意見が出来ることを期待したが、私のグループでは全体的に「生活のために仕事をする」というスタンスを望む人が多かった。経済的不安の重さや子供に対する親の重圧など国が違うことによる異なった状況や経験に関する話も上がったが、中国側も日本側も大学に行くことのできる家庭環境にいるという点で、仕事を私生活の幸せの為や自身の成長の為に行いたいという考えや価値観は似通っていたと感じる。

また、テーマ関係の気づきで言うと、グループ内での日本人の立ち回り方に関しては、あくまで自分の意見を相手に分かってもらうための言い方を重要視した話をしていたのに対して、中国人は自分の言いたいことをストレートに自分の言葉で言うという特徴があったように感じる。しかし、日本人が気を使いがちな人種だからというわけでは決してなく、日本のコミュニティでは、マジョリティでない受け入れられづらい意見は多くの場合排除されることが原因なのだと思う。

 

 立教大学 学生

今回のオンライン交流では日本と中国の学生のキャリアに対する考え方の違いに非常に驚きました。一般的に、私も含めた日本の文系の大学生は大学で学んだ内容を仕事に直結させようという考え方はあまりありません。しかし、中国の大学生たちは大学で学んだ内容を仕事につなげようという明確な意思を感じました。ただ、「誰かのために・社会のために」仕事をしたいという価値観は日本・中国の大学生に共通していました。この先、日中関係がどうなるかは私には分かりませんが、このような共通の価値観を持っている私たちは、いつかどこかで「誰かのために・社会のために」一緒に仕事をしていたりするのかなと思いました。

  

 横浜市立大学 学生

現在のコロナ禍において、ほとんど大学や海外の友人を作る機会がなかったため、今回のイベントは非常に貴重な機会となりました。専攻や学部は多様であり、仕事・将来設計・価値観など異なる考え方が多いと感じました。だからこそ、互いの差異に気付き意見を比べることで、自分が持つ「働くこと」への意識を自覚することができたと思います。多様性を認め合う雰囲気がグループのなかで共有され、オンラインであっても良い空気感の元、話し合いを進められました。また英語力向上の必要性を身に染みて感じました。中国の学生は勿論、日本の他の学生も英語が堪能な方が多く、考えをスムーズに伝え理解し合うためには、ツールとしての言語力が不可欠であると思いました。英語力向上のためのモチベーションが上がりました。

イベントから約1週間が経ちますが、現在もWeChatなどを通して、中国・日本の学生と連絡を取り合っています。本イベントをきっかけに今後も連絡を取り続け、関係性を作っていきたいと思います。貴重な機会を与えてくださり、ありがとうございました。