新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2020」 日中高校生オンライン交流 (京都府-陝西省)

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陝西省の食文化を「粉モノ」と表現する中国の発表

大好物の話題を聞き終え、一斉にニヤリ

 

 

実施概要

実施日 : 2022年1月14日(金)

                 15:40~18:10

主 催 : (公財)日中友好会館、

                 中国教育国際交流協会

参加者 : 西安外国語大学附属西安外国語学校の

                 高校生 20名

                 京都府立北稜高等学校の高校生 21名

 

内 容 :

互いの学校や地域を紹介、グループ交流、

「食文化」に関するスピーチ・交流など

 

実施方法:

Web会議システム「Zoom」を使用したオンライン交流

 

 コロナ禍の下で対面での交流が叶わない中、日本と中国の高校生がオンラインによる交流を行いました。本交流は、京都・西安ともに、長い歴史の中で独自かつ豊かな食文化を形成してきた古都であることに着目し、「食文化」をテーマに、高校生同士が等身大の視点・感性で食文化への思いや興味、関心を紹介し合うことを通じて、相互理解と友好促進を図ることを目的として実施しました。

 

西安市のロックダウン、京都の大雪に負けず参集

 西安市では、新型コロナウイルス感染拡大防止のためのロックダウンが続き、また京都府は交流当日、近年まれに見る大雪に見舞われましたが、日中ともに「それでも参加したい、会いたい」という熱意をもって困難を克服し、交流を実施することができました。

 

生徒代表が相互に流暢なスピーチを披露

 中国からは、日本語を第一外国語として学んでいる生徒が、日本からは、国際交流が盛んな校内で国際交流委員を務める生徒が参加しました。それを象徴するように、開始時の生徒代表挨拶では、中国高校生は日本語で、日本高校生は日本語と英語で、いずれも語学力を存分に発揮し、参加者の模範となるような流暢なスピーチを披露しました。

 

思わず食欲をそそられる、発表交流

 中国高校生は、西安の食文化を「粉モノ」という日本語を用いて説明し、代表的な麺料理である油撥麺(ユーポーメン)については、その作り方を動画で披露しました。西安の1日を食事で紹介する発表は、名所を巡りながら食べ歩きをするストーリーに仕立てられていました。

 日本高校生は、はじめに高校生活の1日になぞらえ、ふだんの食事を紹介しました。東西で異なる卵焼きの味付け、家庭で作るお弁当、学校の売店で買うおにぎりなど、観光ガイドブックでは見られないような特色も披露しました。続いて「おせち」「京料理」を紹介、外国人には理解しづらい概念や由来、しきたりなどを英語でかみ砕いて説明しました。どちらの発表も、彩り豊かな写真や動画を上手に編集しており、思わず食欲をそそられる発表となりました。

 また、中国高校生は自宅からの参加でグループでのパフォーマンスができないため、代表生徒がギターの弾き語りで、西安の誇りを表した郷土歌を聴かせてくれました。素朴なメロディと西安の方言の響きが日本高校生にとっては印象深く、陝西省へのイメージをさらに掻き立てられたようでした。

 

グループ交流では、学校生活や趣味の話題も

 食に関する自己紹介では、日本高校生が、中国高校生が発表交流で紹介した「粉モノ」や麺料理に呼応するようなエピソードを披露する場面も。大阪のたこ焼きをすすめる生徒、京都で好まれる「しっぽくうどん」ほか多彩なうどんの種類を挙げながらも、「カレーうどん」が好きである理由を述べる生徒など、ユニークな紹介が続きました。

 後半は、食の話題以外の質問も交わされました。北稜高校に自習室があることをうらやましく思った中国高校生、好きなゲーム、アニメを紹介し合ったグループなど。日中双方、言葉に詰まる場面もありましたが、Face to Faceでふれ合う中で、相手がよく耳を傾けてくれたこと、興味をもってくれたことが何よりうれしかったようです。

プログラム

①主催者代表挨拶

②生徒代表挨拶

③学校・地域の概要紹介

④食文化についての発表交流

⑤グループ交流

  5グループに分かれて交流。1人ずつ、 以下に

 ついて紹介し合った後、自由な話題で交流した。

   1. 相手国の学生が旅行する際、おすすめの都市

     (地域)とその食べ物

   2. 最も好きな自国の食べ物(料理)とその理由、

       作り方の紹介等

⑥学校長挨拶

 

 

参加者の感想

【中国高校生の感想】

◆ 西安外国語大学附属西安外国語学校 高校生

 今回、京都府立北稜高校との交流に参加できて光栄でした。祖国の未来を担う若者として、海外との交流で、中国の優れた伝統文化を伝えることに、ささやかながら貢献できてうれしいです。今回の交流は限られた短い時間でしたが、日本の文化を感じ、京都の文化について以前より理解が深まりました。コロナの影響で、オンラインでの交流になったのは残念でした。短い時間でしたが、期待以上に日中の学生が心を通わせることができました。1日も早く、実際に訪問をして交流を深めたいです。自由な交流の時間がもっと長いとよいです。

 

◆ 西安外国語大学附属西安外国語学校 高校生

 今回のオンライン交流は、日中それぞれ、相手方への理解が深まりました。両国の交流への期待が高まり、日本に行ってみたい気持ちが強くなりました。特に問題はありませんでしたが、次回の交流では、お互いに恥ずかしがらず、自信をもって発言できるとよいです。

 

◆ 西安外国語大学附属西安外国語学校 高校生

 コロナ禍のため、日本の学生とはオンラインでの交流となりましたが、オンラインでも積極的な交流ができました。物静かでおとなしいと思っていた日本の学生は、とてもやさしく、彼らも私たちと同じような趣味を持っていることを知りました。学校生活について、もっと知りたかったです。私は日本に留学したいと思っているので、もっと日本語学習をがんばらなければなりません。両国の文化、食べ物、建物の違いについて理解が深まりました。次回の交流が楽しみです。

 

◆ 西安外国語大学附属西安外国語学校 高校生

 今回の交流は、以前やったものよりも公式的なもので、しっかり準備をしていて、内容も充実していて、とてもよかったです。交流の中で、日本側の紹介によって、日本についての理解がさらに深まりました。将来、ますます日本に留学したくなりました。日本の学生は多才で主体性があり、自分の未熟さを感じました。今後、もっと多くのオンライン交流の機会があるとよいです。交流によって、自分のコミュニケーション力を高め、世界をよりよくしていくことに微力ながら貢献したいです。

 

◆ 西安外国語大学附属西安外国語学校 高校生

 今回の活動は学びが多かったです。日本語ネイティブと交流をして実際の日本語はアニメ・漫画の日本語とは違うと感じました。自然でよい響きでした。準備の過程で、PPTを作り、発表内容を考え、原稿を書き、発音を練習したことで、自分の日本語能力が大いに高まりました。

【日本高校生の感想】

◆ 京都府立北稜高等学校 高校生

 今回、オンライン交流をして、いろいろな経験をしました。例えば、はじめて外国の学生の方としゃべったことです。とても緊張したけど、いい経験になったと思いました。ほかにも、英語で自分のおすすめの食べ物を紹介するときは、ちゃんと相手に伝わるのか心配でしたが、外国の学生がうなずきながら話を聞いてくれたので、うれしかったです。だから僕もしっかり話を聞こうと思いました。今回の話を聞いて、まだ海外に行ったことがないのですが、いろいろな所に行ってみたいと感じました。そのためにも、しっかり英語を話せるようになりたいので、がんばって勉強しようと思いました。ほかにも、Zoomで話す経験も今までしたことがなかったけれど、お互いの顔を見ながら発表できたのは、とてもいいことだと思いました。これからのの人生でZoomを使っての話し合いなどもあると思うけれど、今回のことを生かしつつ、がんばりたいなと思いました。

 

◆ 京都府立北稜高等学校 高校生

 中国の高校と交流をしてみて、自分で日本の伝統文化を調べてまとめて、最終的に相手に伝えることは楽しく良いことだと思いました。また、中国の高校生の方々の町紹介などを聞いて、知らないことも多く、おもしろかったです。また、中国と日本の高校生のグループ交流で、自国の紹介をし合い、互いに質問し合う経験は、すごく良い機会になったと思いました。このような良い経験をさせていただき、ありがとうございました。

 

◆ 京都府立北稜高等学校 高校生

 今日の交流は、とても意味のあるものだと思った。中国の文化とかを知れて、うれしかった。中国の人と各部屋に分かれて話す時に、中国の食べ物を紹介してくれて、聞いたことない食べ物だったけど、とてもおいしそうで、一度食べてみたいと思った。今回、いろんな国と交流してみて、違う国の文化と交流する大切さが分かった。これを機に、もっとアジアとか北欧の国など、話したことのない、関わりが少ない国との交流もしてみたいです。中国の人達は、私達が日本語で話したり、上手な英語で話せなかったりしても、温かくしてくださったので、ありがたかったです。

 

◆ 京都府立北稜高等学校 高校生

 高校に入って語学研修へ行けなくなったり、海外への研修旅行が国内に変わったりと、ずっと海外での活動ができなくて悲しかったです。でも、それは全世界の学生の人達も同じで、今回、中国の学生さんと近いようで遠い国の方と交流できたことがとてもよかったと思うし、いい経験をすることができたと思っています。何日も英語で発表するところを遅くまで練習したりして、少し大変だったけど、こういった一つ一つの積み重ね、努力によって成長できるとも思った。たくさんの人達の協力があっての交流だとも思うので感謝したいです。 各班に分かれての交流では、はじめはなかなか話が進まなかったけど、最後の時には、もうみんながすごく笑い合っていて、いろいろな話ができたのでとても楽しかったです。この世の中の状態がもっとよくなった時には、絶対に中国をはじめ、たくさんのところに行って、いろんな経験を積みたいと思う。

 

◆ 京都府立北稜高等学校 高校生

 今回の国際交流をしてみて、最初はリハーサルでもこれ上手くできるんかなとか失敗したら嫌だなとか思ってましたが、本番では中国人の方々や先生達の温かい目で私の話を聞いてくださったのでとてもハキハキと喋れて、やってみて良かったなと心から強く感じました。 中国人の方々のスピーチを聞いてみてすごかったところは現地の料理とか文化を映像で見れたところです。ある中国人の方は、自分がやっているギターを使って、私でも知っている中国の歌を演奏してくれました。 北稜高校のメンバーもみんなハキハキと喋っていて伝わりやすかったです。 こうやってリハでは心配してましたが、本番で成功したのでとても達成感があり、充実感に浸っていました。 また出来る機会があるのならぜひやってみたいですし、次は自分が2年になるので、後輩にも教えていけたらいいです。 楽しかったです!!