「日中植林・植樹国際連帯事業」 2022年度中国大学生オンライン交流(地方間交流)(沖縄県-福建省)
実施概要
実施日時: 2022年12月17日(土)15:00~18:15
主 催: 公益財団法人 日中友好会館
協 力: 中国日本友好協会、福建省人民政府外事弁公室、沖縄県文化観光スポーツ部
参 加 者:【中国側】福建師範大学の大学生20名
【日本側】沖縄県関係者および同地の大学生(大学生は16名)
内 容: 沖縄県によるブリーフ、環境に関するセミナー、大学交流等
実施方法: Web会議サービス「Zoom」を使用したオンライン交流
主な日程
①オリエンテーション
事業趣旨、注意事項等の説明
②沖縄県によるブリーフ
テーマ:沖縄県の魅力と中国福建省との繋がりについて
③福建省の紹介
1.福建師範大学エイサー部と沖縄の交流
2.福建省長汀県における環境保全事業の共有
④環境に関するセミナー、質疑応答
テーマ:沖縄県の森林と森林保護
⑤グループ交流(4グループ)
自己紹介、伝統菓子(ムーチー、湯円)紹介、環境に関するワークショップ
⑥感想発表
本プログラムは、日本と中国の友好交流都市提携を結ぶ地域の大学生や市民がオンラインで交流するもので、今年は日中国交正常化50周年の節目の年にあたるため、友好交流都市提携25周年を迎える沖縄県と福建省との間で「環境」をテーマに行いました。今回の交流を通して、中国大学生が環境への理解と対日理解を深めるとともに、沖縄県と福建省のさらなる友好関係の発展に寄与することを目的として実施しました。
沖縄県と福建省からそれぞれ都市の魅力やエイサーを通じた交流等の紹介、環境に関する発表・講義を受け、参加者は両都市の文化や友好関係を改めて認識し、環境について学ぶことができました。講義では、琉球大学農学部 陳碧霞 准教授より沖縄の環境保護の取り組みや自然資源の利用等について説明があり、参加者からは「観光による地域振興と環境保護をいかに両立させるか」「人と自然の共生のために沖縄県は何をしているか」等の質問が挙がりました。グループ交流では、沖縄県の大学生は実際に調理しながらムーチーの材料や作り方を紹介し、福建の大学生はPPT等を用いて湯円を紹介しました。また、ゴミの分別やリサイクル等、身近な環境問題について意見交換を行いました。
参加者の感想
【中国大学生の感想】 ◆森林や絶滅危惧種の動物の保護対策について多くを学び、観光地を管理する上で直面する問題やその解決策について知ることができました。自然と共生するためには、あらゆる人の努力が欠かせず、日常の小さな事柄から始めなければならないと思いました。 日本の大学生との交流では、彼らの友好的な感情を感じることができました。日本学生が中国語で、私たちは日本語で挨拶を交わしてから、お互いの趣味について話し、環境問題について意見交換をしました。意見交換を通じて多くの収穫がありました。
◆今回のオンライン交流に参加し、日本の環境保護について新しい知識を得ることができました。日本ではボランティアが環境保全の重要な役割を担っていることを知りました。 日本の学生とたくさん話し、彼女たちの温かさや優しさを実感しました。日本を旅行してみたい、日本で生活してみたいとますます思うようになりました。遠い海の向こうの彼女たちと話ができ、とても楽しかったです。
◆沖縄県も福建省と同様に、ごみの分別問題のほか、海洋ごみの問題を抱えていることを知りました。海洋ごみの問題について早急な対策が必要だと感じました。 日本の大学生たちがムーチーを作る様子は、とても新鮮で面白く、チャンスがあれば一緒に作ってみたいと思いました。
◆セミナーで、沖縄県の環境保護に対する取り組みについて学び、沖縄の美しく豊かな環境についてより一層理解が深まりました。 ふだん日本の学生に直接会う機会はほとんどないので、今回直接交流することができてとてもうれしかったです。いつか対面で交流したいです。 |
【日本大学生の感想】 ◆オンライン交流を通して、中国の学生の皆さんがとても環境問題に対して自分なりの姿勢を持ち、関心を持っていることがわかりました。私も、中国の皆さんを見習い、より身の回りの環境問題について関心を持ち、できることは何か考えたいと思いました。
◆環境問題が多いという印象の中国ですが、中国国内でも森林の保全の為に色々な活動をしていることを知りました。沖縄にも似た問題があるので、良い面を取り入れることができたらいいなと思います。 グループ活動では、中国大学生の方々が日本や沖縄について色々聞いてくれました。沢山質問をすることも大切だと学び、これからは自分から発言することを心がけたいです。
◆福建師範大学にはエイサーのサークルがあり、盛んに活動していることを知り、沖縄の伝統的なエイサーが中国でも人気であることや、さらにエイサーに関わっている学生も多いことに驚きました。中国の冬至の時期に食べる伝統的な食べ物や、中国の環境などについて知ることができ、異文化理解の面でも学ぶことが多く、勉強になりました。
◆森林保護に関する二国間の事例紹介では、中国福建省長汀県における水土保全事業(意識改革、技術改革、制度改革)について学ぶことができた。私は、これまで日本の治山・治水事業について学んだことはあっても海外、とくにアジアの事例に関する情報に触れたことがなかった。今後は、中国を中心に海外の森林保護事業について、専門分野の知識とからめながら学んでいきたいと思う。 学生間のディスカッションのテーマは、身近に存在する環境問題であった。私が参加したグループでは、ゴミ問題について議論した。ディスカッションを行った結果、上海(中国)や東京(日本)などの都市部では、ゴミの分別などのルールが厳しくきれいな街が維持されていることが分かった。一方で、福建省(中国)や沖縄(日本)などの地方では、ルールが曖昧であり、都市部と比較して街が汚いことが分かった。今回の交流では、中国と日本の共通点を見いだすことができた。今後もこのような意見交換の場があれば、二国間の環境問題の共通点や相違点を発見するとともに、それらの問題に対して、共同で行える解決策も話し合いたいと感じた。 |