新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2022」第5回 日中大学生対話(オンライン交流)

実施概要

スライドを使って懇談の成果発表

実施日時:【オリエンテーション】2023年2月15日(水)15:30~16:30

               【テーマに関する交流】2023年3月1日(水)15:30~18:10

主  催: (公財)日中友好会館、中国日本友好協会

協  力: 日中学生交流連盟

後  援: (株)朝日新聞社

参 加 者 : 日中大学生35名(日本側学生:17名 中国側学生:18名)

内  容: 参加者を日中混合6人ずつの6グループに分け、事前にグループ毎のチャットグループを作って連絡を取り合う。交流当日は、2グループずつ同じテーマについてディスカッションを行った後、懇談の成果をグループの代表者が発表し、質疑応答・意見交換を行う。

 

主な日程

交流の記念に笑顔で一枚

【オリエンテーション】

①趣旨説明、参加者紹介、ZOOM操作及び注意事項の説明、当日の流れ等説明

②テーマ選定理由について説明

③グループワーク(自己紹介、グループリーダー決定、対話の進め方等)

 

【テーマに関する交流】

①趣旨説明

②対話の流れに関する説明

③グループ懇談(使用言語、テーマ)

 1、2グループ:日本語

 「私の理想の働き方」

 3、4グループ:中国語

 「それぞれの国の大学生の間で流行っているもの。その理由と各国での流行の共通点」

 5、6グループ:日本語

 「インフレと戦う学生生活術」

④懇談の成果発表(各グループ)、質疑応答・意見交換

⑤感想・講評

 

 本プログラムは、日中大学生が一つの議題について率直に懇談することを通じて、両国に対する相互理解を深めると同時に、日中関係がすでに「学生同士が未来の日中協力のために胸襟を開いて意見交換を行う」段階にあることを、対外的にもPRすることを目的として実施しました。

 6グループがそれぞれグループテーマについて率直に話し合い、成果発表では各グループから多くの意見が上がりました。

 1、2グループは、進路に関する共通点や相違点等を挙げ、「就職観は周囲の環境に左右される。お金を稼ぐことは大事だが、同時に夢や目標を達成させることも大事である」と発表しました。

 3、4グループは、スマホゲームやメイク、SNSを両国の共通する流行として挙げ、それらは学業・就職へのストレス、容姿に対するプレッシャーと関係があり、流行は大学生の日常生活から生まれていると、分析しました。

 5、6グループは、日中両国の学生の物価上昇への関心度の違いや、アルバイトと学業の両立、様々な節約方法を紹介しつつインフレとの戦い方について議論したことを発表しました。

 

参加者の感想

【中国側参加者の感想】

◆福州大学 学生

 私は「それぞれの国の大学生の間で流行っているもの。その理由と各国での流行の共通点」のグループに参加しました。グループディスカッションでは、日中の大学生の間で流行っているものに共通点があることがわかりました。例えば、現実の生活でたまったストレスをネット上で発散する傾向があることです。また、中国は学業、就職、親と社会からの要求や期待などのプレッシャーが大きく、日本は勉強以外に中国の学生に比べて対人関係のプレッシャーが大きく、SNSの投稿を重視したり、自分のルックス、ファッションにコンプレックスを持っているなど、中国と日本ではストレスの原因に違いがあることも分かりました。

◆福州大学 学生

 今回のグループ交流のテーマは「インフレと戦う学生生活術」でした。最初にこのテーマを聞いたとき、今まで考えたこともなかったので戸惑いました。物価の上昇は感じていましたが、大学生の目線でこの問題を考えたことはありませんでしたが、日本側と交流する中でどう考えるべきか分かってきました。日中の考え方は、例えば、日々の支出目標を設定して節約するという点では共通していましたが、違っている点もありました。日本では、中国のような共同購入がほとんどなく、中国では、日本のように古着を購入することが一般的ではありません。異文化交流によって、視野が広がりました。

◆福州大学 学生

 日本の大学生がみんな私たちと違うわけではなく、同じ考え方や意見を持っている場合もあることに気づくことができました。お互いの文化が違うからといって話題に困るようなことはなく、とてもリラックスできました。今回の交流で、自分にも日本の友達ができたことがとても嬉しかったです。

【日本側参加者の感想】

◆大学生

 中国の学生と日本の学生では文化や就職観、周りの状況など相違点もありましたが、同じ世代の若者として考えると、好きなことや好きなもの、持っている夢などに違いはなく、全く同じ感覚であると感じました。オンラインでの交流は異なる国、また同じ国でも異なった地に居ながらも同じ時間を共有してお互いに顔を見ながら話すことができる、とても有意義な時間でした。

 私は中国のエンタメから中国に興味を持ち、中国語を勉強しながら文化を調べていくうちに、現在の中国の文化はあまり日本で広く知られておらず、自分と同じ世代の学生たちのことも今まで積極的に知ろうと思ってこなかったのではないかということに気が付きました。そのことは、中国と日本の間には長い歴史があり、ずっと変わることのない隣国であるのにも関わらず非常に寂しいことであると感じます。今回の対話交流などで実際に言葉を交わすことができるのはとても素敵だと思います。自分自身、これからも積極的に中国と日本の「今」を繋ぐような活動に参加したいと思っております。

◆大学生

 今回の対話で気づいたことや、知ったことはたくさんありましたが、特に日本と中国では労働環境が違うということには驚きました。中国では、大学院まで進むことが普通のようで、それほど厳しい現実なんだと思いました。一方で、日本では文系学生の大学院進学率は減少傾向であり、周りがもう就職している影響で、進学しづらいという声もあることも初めて知りました。中国の学生と対話していく中で、興味のある仕事につけなくてもまず仕事につけるかどうかが重要であることや、シェアハウスで過ごすのが普通である等の考え方も知ることができました。

◆大学生

 ネイティブ話者として日本語で対話をするグループに参加をさせて頂いていた為、このような立ち位置でどのように振る舞うのが良いかを自分なりに考え、行動に移しました。ネイティブ話者として話に参加する際には、ただ対話を楽しむだけではなく、非ネイティブ話者である学生全員が話している内容を理解でき、発言しやすい状況を自分自身、あるいは他のネイティブ話者と協力し作ることが大切だと学びました。