新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2022」日中大学生オンライン交流

実施概要

【グループディスカッション】お互いのキャリアプランを紹介し合う

実施日時:【オリエンテーション】2023年3月 3日(金) 15:00~16:00

     【テーマに関する交流】2023年3月10日(金) 15:00~17:45

主  催: 公益財団法人 日中友好会館

協  力: 中国国際青年交流中心

参 加 者 : 大学生 中国側20名、日本側14名

内  容:「学生の目から見た就職」 をテーマにセミナー、グループディスカッション、議論の成果発表

実施方法: Web会議サービス「Zoom」を使用したオンライン交流

主な日程

【講評】九門先生がサブテーマごとにフィードバック

【オリエンテーション】

①趣旨説明(事業概要等)

②テーマに関する交流事前学習説明(資料提供、準備事項等)

③グループワーク(6グループに分かれて実施)

 ・アイスブレイク

 ・グループリーダー選出(2名:進行役、まとめ役兼発表者)

【テーマに関する交流】

①参加者紹介

②セミナー

 テーマ:「不透明な時代をどう生きるか」~日中Z世代のキャリアを考える~

 講 師:九門 大士 亜細亜大学 アジア研究所 教授

③グループディスカッション(6グループに分かれて実施)

 [サブテーマ]

 ・キャリア形成とメンバーシップ型・ジョブ型雇用(1・4グループ)

 ・キャリア形成とジェンダー(2・5グループ)

 ・キャリア形成とワークライフバランス(3・6グループ)

④議論の成果発表

⑤講評

 

 日本と中国の大学生が、「学生の目から見た就職」をテーマに、多様化する働き方や人生観について相互理解を深めるとともに、日中両国の友好促進を図ることを目的に、セミナー受講とグループディスカッションによる交流を行いました。

 セミナーは、まず講師が学生時代から現在まで、何を志望し、どのようなことを考え、キャリアを歩んできたか、自身の経験を具体的に語り、なぜ自分の「内側」を考えることが大切であるかを示しました。続いて「あなたの人生で最も大切だった瞬間や出来事は何ですか?」と質問、2人の学生が経験と思いを語りました。後半は、自分の「外側」にある採用活動、就職時に求める条件、雇用システムについて、日中の違いを取り上げ、激動の時代、先の見えない時代には、ワークスタイルが変化し、キャリアも変遷していくことを指摘。自分のキャリアや人生の目的を考え、見つけていく力が必要であり、Being―自分のあり方、自分をきちんと理解することが重要になってくることを強調しました。最後に、「就職」とは短期間の就職活動ではなく、もっと長い自分のキャリア・人生について考えることだと理解してほしいと締めくくりました。

 グループディスカッションでは、進行役リーダーのもと、サブテーマを中心に活発な議論が繰り広げられました。大学院生が下級生に自身の経験を紹介したり、医療系やデザイン等の分野を学ぶ学生が新たな視点を共有したり、違いや多様性を尊重する場面も見られました。

 講評では、グループディスカッションでの興味深いトピックとして「親の意見を何%受け容れるか」を取り上げ、日本に比べ、中国では圧倒的に親の意見を尊重する傾向がある、と日中の違いについて解説しました。

参加者の感想

【中国側参加者の感想】

 中国 大学生
日本の学生は親しみやすく、フレンドリーでした。日本の若者について詳しく知ることができ、とてもよかったです。

 中国 大学生
交流する中で、新しい考えやアイデアが見つかり、就職に向けた新しい方針が得られました。

 中国 大学生
日本の学生の方が発言に慎重で、個人的な事柄ではなく、マクロ的、あるいはデータで証明できるような客観的な事柄について話していました。一方、中国の学生は個人の考えを好んで話していました。

 中国 大学生
メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用の共通点と相違点を学び、日本の文系の学生は卒業後、メンバーシップ型雇用を選ぶ傾向があることや、親の意見を聞く割合は1割以下に留まることなど、現代の日本の大学生の就職に対する考え方や卒業後の職業選択の傾向について学び、両国の文化及び社会形態についての見方が変わりました。

 中国 大学生
職種とジェンダーの関係については、中日いずれの社会でも偏りがあるものの、その矛盾は徐々に改善されてきています(例 職場での女性に対する差別や昇進機会の改善など)。日本の伝統について知ることで、日本社会における職種とジェンダーの偏りについて理解することができました(例 女性スタッフは土俵に上がれないなど)。中国で一般的な職業が日本では非常に少ないことが分かりました(例 中国には男性の客室乗務員がいるが、日本にはそのポストがほとんどないなど)。

 中国 大学生
文化の異なる両国の就職事情の違いを実感しました。ディスカッションでは、両国の状況について理解が深まっただけでなく、各自のキャリアプランにおいても目標がより明確になりました。活発なディスカッションを通じて、どんな社会、どんな体制においても、個人のキャリアプランはきわめて重要で、キャリアを形成するための真の原動力、アクセルとなることが分かりました。雇用形態の選択にしても、ワークライフバランスにしても、最終的な成功を収めるためには、個人の総合力や専門性を磨き、個人の強みを生かして、自分の可能性を高め、キャリア形成の障害を克服し、人生の落とし穴を回避し、絶えず修正を加える努力が必要です。

 中国 大学生
九門大士教授の講義が一番印象に残りました。教授自身の経歴や専門的な視点から、両国の就職事情の背景や概念を学ぶことができ、またその後の交流に活かすことができました。今回の交流での収穫は主に次の2つです。まず、両国の異なる雇用形態について理解が深まりました。講座や交流を通じて、日本の就職文化や社会的背景について詳しく知ることができ、中国と比較することで中国の現状についてより包括的な認識を持つことができました。2つ目は、自分の将来についてより具体的な考えを持つようになりました。九門大士教授の経歴や日本の学生のキャリアに対する考え方を知って、自分との違いに気づくとともに、同じアジアの若者として直面するプレッシャーに共感しました。プレッシャーは必然的なもので、努力を怠ってはならないとより強く意識するようになりました。

 

【日本側参加者の感想】

 日本 大学生

グループで話し合うことで自身の仕事の価値観に気づくことができました。

 日本 大学生
日本と中国では価値観の異なる部分も多かったが、共通している部分もあった。

 日本 大学生
中国と日本の就活の違いを聞いて、人生の中で重要視していることが異なっていて興味深かった。

 日本 大学生
中国との就活制度の違いがあることは知らなかった。genderについては両国とも同じような意見を持っており、これから私たちの世代がどう活動していくかがgender問題の改善につながると感じました。

 日本 大学生
日本と中国での就職活動における制度的な違いや考え方の違いについて学ぶことができました。今までは中国の文化的な側面にしか関心を持てていなかったのですが、私たちと同じ世代の学生が将来の進路に対して強い意志を持って勉学に励んでいることを知り、刺激をもらうことができました。

 日本 大学生
異なる境遇や社会システムの中で生活をしている中国の学生と、同じ「就職」というテーマについてディスカッションでき、とても有意義に感じました。私たちのグループは、メンバーシップ型・ジョブ型雇用について話し合いました。はじめは馴染みのないトピックだったのですが、ディスカッション前に自分で調べたり、議論をしていく中で、それぞれの制度が持つ特徴について詳しく学ぶことができました。また、グループの進行役リーダーとして、発表者の考えについて他の人に意見を尋ねてみたり、発表の機会や時間配分に配慮したりしました。進行役として、役割を果たすことができ、達成感を感じるとともに、たいへん貴重な経験ができたと思っています。またこのような機会があれば、ぜひ参加したいです。