新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2022」 日中青年オンライン交流(アニメ・漫画)

実施概要

アニメ・漫画や小説にでてくるキャラクターの日中での違いについてのセミナー

実施時期:1.セミナー  2023年3月22日(水)14:00~15:30

     2.テーマに関する交流 2023年3月23日(木)13:55~16:00

主  催:公益財団法人日中友好会館

協  力:中国宋慶齢基金会
参 加 者:アニメ・漫画を学ぶ、または好きな大学生・大学院生

     中国側20名、日本側17名

内  容:テーマ「アニメ・漫画」に関するセミナー、グループワーク等

実施方法:Web会議サービス「Zoom」を使用したオンライン交流

 

主な日程

【1日目:セミナー】
①事業趣旨の説明

②セミナー・質疑応答

 テーマ:「アニメ・漫画や小説にでてくるキャラクターの日中での違い」

③グループワーク(役割分担決定)

 

【2回目:テーマに関する交流】

①グループワーク(日中共通の課題をテーマにした擬人化キャラクターを考案)

【テーマ】

Group1:フードロス

Group2:ネットリンチ

Group3:マイクロプラスチック汚染

Group4:森林資源の保護

Group5:長時間労働

②各グループの作品(擬人化キャラクター)発表

③感想発表

 

 本プログラムは、日中の学生が共に社会課題をテーマにした擬人化キャラクターを考案し、それを通して各々の価値観や課題に対するスタンスについて相互理解を深めました。

 参加者は、グループテーマの社会課題について議論した上で、擬人化したキャラクターを作り上げました。Group1は「Save」という名前のフードロスをする人間と戦うキャラクター、Group2は弱さと攻撃性を併せ持つ「匿名多面人A」、Group3は海の生物と共に困難に立ち向かう冒険家「見習いクラゲちゃん」、Group4は子供にしか見えない森の精霊「心音樹(愛称:樹意ちゃん)」、Group5はエナジードリンクを飲みながら他人の顔色を伺って働いている「残業福ちゃん(加班阿福)」というキャラクターを創作し、発表しました。参加者からは「日本の学生と突っ込んだ議論ができ、社会課題への考え方に多くの共通点が見つかった」「クリエイティブなテーマで、人の感情を含めた深い話ができて楽しかった」などの感想が聞かれました。

※ページ下部に作品掲載

参加者の感想

【中国側参加者の感想】

◆ 首都師範大学の学生

 中国と日本の若者が1つのテーマについて、その背後にある原因や社会的意義を話し合うことによって、中日両国の価値観や理念を共有し、文化の違いを体験できたことが、とても面白くて有意義でした。また、フードロスに対する日本社会の考え方を知ることができ、日本の伝統文化や伝統的要素の意味も理解することができました。確かに、中国の概念とは少し異なるところもありますが、とても勉強になりました。

 

◆ 首都師範大学の学生

 日本の学生と直接意見交換したり、共に課題に取り組んだり、フリートークを体験したり、目新しいことばかりでした。日本の学生はアニメ・漫画のキャラクターについてよく知っていて、積極的に意見を言い、斬新なアイデアをどんどん出してくれたので、双方からインスピレーションの火花が飛び散りました。また、創作したキャラクターの名前を一緒に考え、二つの文化が共感できることをあらゆる面で表現しようと思いました。双方ともに参画意識が高く、わくわくするイベントでした。同年代の日本の若者と実際に会話をしたのはこれが初めてでしたが、日本の学生はみんな多少なりとも中国語を理解できて、中国にかなり興味のある中国語専攻の学生もいたのは意外でした。同時に、日本語専攻の学生として、貴重な実戦の機会を得ることができました。国は違っても、同じ趣味があり、お互いを理解したい、仲良く交流したい、という心からの願いがありました。すべての課題が終了した後で15分間設けられた逐次通訳なしのフリーチャットルームに、私たちのグループの日本人学生は全員が進んで入り、挨拶をしたり、今日の交流の感想を言い合ったり、一緒にいい思い出づくりができたことに感謝し合ったりしました。両国の若者が友好を深める新たな可能性を目にし、今後このような機会やイベントが増えていってほしいと思いました。

◆ 首都師範大学の学生

 中日青年アニメ・漫画交流に参加できたことは光栄で、とてもうれしく思います。セミナーでは、加藤教授から中国と日本のアニメ・漫画に関して、キャラクターの違いについての講義を聞き、とても勉強になりました。また、グループワークでは、長時間労働(九九六)をテーマに、日本の学生と意見交換して協力しながら自分たちのグループの擬人化キャラクターを作り出しました。その過程で、日本の職場の現状や、中国と日本の職場の違いを理解できたし、自分の語学力を鍛えたり視野を広げたりすることもでき、大きな収穫を得ることができました。

◆ 首都師範大学の学生

 今回の交流のテーマである中国と日本のアニメ・漫画に関する問題について、理解が深まりました。例えば、主人公の性格設定や人生経験などの違いです。また、この交流によって私の語学学習へのやる気が高まり、アニメ・漫画の違いや共通点をもっと知りたい、比較することでもっと面白いことを見つけたい、と思うようになりました。日本の学生とオンラインで会うことができたことは、本当に有意義な経験でした。

 

【日本側参加者の感想】

 津田塾大学の学生

 今回のオンライン交流では、まず加藤先生の講演から、日本と中国のキャラククター間にはメンタル面に決定的な違いがあることを学んだ。実際に自分たちでキャラクターを創り上げる段階に移ると、日中間の着眼点の差が顕著に現れたと感じた。私が属していた第2グループは「ネットリンチ」というテーマでキャラクターを生み出したが、中国側はキーワードに「加害者」「被害者」という概念を挙げて、ネットリンチの恐怖を全面に押し出す構図を提案し、そこに「私たちはネットリンチに徹底抗戦しなければならない」という自分たちの意見を込めていた。日本側は「加害者」を完全な悪として描くのではなく、他者を攻撃することでしか自分を保てないという加害者側の脆さといった不安定な側面や、彼らを加害者に至らしめた更に深い社会の闇を加えることを提案した。これらが合わさることで「匿名多面人A」という加害者に焦点の当たったキャラクターが完成した。中国側の学生達は象徴的な側面を引き出し「ネットリンチ」を打ち負かさなければならない悪の対象として描写することに長けており、日本側は悪の中に隠された背景を汲み取り「誰もが苦しんでいる」というリアリティを加えることに長けていたと感じた。

 

 中央大学の学生

 今回は、中国側の方が議論や話を進めてくださり、その話の内容もリードしていった。ここにも中国と日本の違いが現れていて興味深かった。また、このような社会問題は世界共通であり、多少の差はあれど根本的な原因やイメージするものは同じであると分かったので、一国で解決しようとするのではなく、全世界で解決へ向けて動けたら良いと思う。またその時、言葉では伝わりにくかったり、勘違いを生む可能性もあるので、イラストなどビジュアル面から情報発信していくということも有効だと分かった。

 

 大東文化大学の学生

 今回のオンライン交流は、とても楽しかったです!アニメでも、両国には性格の違いや考え方の違いがあり、とても勉強になりました。また、交流会で一緒だった中国の学生さんと今でもチャットでおしゃべりをして楽しんでいます。彼女から中国語を学んだり、私が日本語を教えたりしていてとても楽しく勉強しています!

 

Group1:フードロス

 

Group2:ネットリンチ

 

Group3:マイクロプラスチック汚染

 

Group4:森林資源の保護

 

Group5:長時間労働