新時代を担う日中友好の架け橋に

「日中植林・植樹国際連帯事業」2023年日中恐竜交流青少年代表団

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実施概要

実施期間: 2023年8月20日(日)~8月26日(土) 6泊7日

招聘人数: 31名(団長1名、引率・事務局等4名、学生26名)

団員構成: 中国の小学生(高学年)から大学生

実施団体: (公財)日中友好会館

派遣協力:邢立達 ディープタイムデジタルアース恐竜タスクグループリーダー・博士

     在中国日本国大使館

内  容:・植樹活動

     ・環境・防災に関するセミナー・視察(博物館等)

     ・日本の青少年等との交流

     ・その他、日本に対する包括的理解促進につながるプログラム等

主な日程

8月20日(日)

PM 来日

 

8月21日(月)

AM 国立科学博物館 視察・セミナー・交流

PM 歓迎会

 

8月22日(火)

AM 福井へ移動

PM 福井県内視察

 

8月23日(水)

AM 植樹活動

PM 福井県立恐竜博物館 視察

 

8月24日(木)

AM ホームビジット(福井市)

PM 大阪へ移動

 

8月25日(金)

AM 大阪市立自然史博物館 視察

PM 堺市総合防災センター 視察

 

8月26日(土)

AM 帰国

 

プログラムのハイライト

本事業は、恐竜、古生物学研究の分野、及び日本との交流に関心のある中国の小学生(高学年)から大学生を訪日招聘し、植樹活動、環境・防災に関する視察等を通じ、参加者の環境・防災意識の啓発を図るほか、恐竜を切り口とした日本の青少年等との交流や文化・社会・歴史に関する視察など、多面的な日本理解につながる活動を行い、日中両国青少年間の相互理解と友好促進を目的として実施しました。

 

日本の恐竜・古生物について理解を深める

代表団一行は、国立科学博物館、福井県立恐竜博物館、大阪市立自然史博物館を訪問。各博物館で、恐竜や古生物学研究に関する講義や館内見学等に参加しました。恐竜を含む古生物研究は、当時から現代にいたる地球環境の変化の研究とも密接に関連するため、参加した団員は環境問題についても考えるきっかけになりました。国立科学博物館では、日本の恐竜好きな中高校生・大学生もプログラムに参加しました。最初はお互い緊張していた様子でしたが、恐竜好きという共通点もあり、直ぐに打ち解け日中の学生は楽しみながら交流していました。また、福井県立恐竜博物館がある長尾山総合公園で植樹活動を行いました。

 

ホームビジットで日本文化に触れる

福井市内でホームビジットを体験し、郷土料理の葉ずし作りや竹細工体験、里山散策等を通して、一般市民との交流も深めることができました。

 

参加者の感想

◆視察した3つの博物館はとても印象深く心に残っています。国立科学博物館を訪問した際、日本の学生と深い交流をしました。彼らのリーダーシップの下、日本の古生物への理解が深まり、古生物に興味を持っている友人がたくさんいることをとても嬉しく思いました。福井県立恐竜博物館は私が一番行ってみたかった博物館で、日本に来る人にはぜひこの博物館に足を運んでみてくださいと勧めたいです。博物館は非常に包括的なコンテンツを展示しており、恐竜の愛好者であるかどうかにかかわらず、楽しい時間を過ごすことができると思います。博物館の展示物の紹介部分に点字がついていたのにも感動しました。日本のバリアフリー設備はとても整っていて、学ぶ価値があると思いました。大阪市立自然史博物館の恐竜の展示スペースはそんなに大きくはなかったですが、世界中の恐竜の化石が収められていました。

また、ホームビジットでは、日本の文化や習慣について学ぶことができました。防災訓練の体験では、突発的な災害への対応力も強化できました。また日本を訪れ交流や学習する機会があればよいな!

 

◆今回の活動は、両国民の友好を促進し、社会と人類にとっての環境保護と自然災害軽減の重要性を強調しているものでした。中国と日本の学生が一緒に博物館を見学し、それぞれの国を紹介し、互いに恐竜について学び、地球に関心を寄せることができました。言語は違いますが、世界をより良い場所にするという共通の目的によって結びついています。この経験を通して、私は中国と日本の真の友情を深く感じました。政治の影響や文化の差異なく、ただ普通の人達が肩を並べて行動し、交流するだけで、一見単純で平凡に見えますが、将来への自信と責任を表していました。同時に、その過程でたくさんの新しい友達に出会い、彼らが実際に私と非常に似ていることに気づきました。スポーツ、音楽、映画等が好きで、同様なプレッシャーと課題に直面し、未知のものを受入れ、より良い未来になることを望んでいました。とにかく、この活動は、他の国の文化的背景の中で普通の人々がどのように生きているか、そして彼らが彼らを取り巻く環境と世界をどのように変えたいかを探求する機会を私に与えてくれました。

 

◆日本の恐竜について多くのことを学び、同時に古生物への理解も深まりました。国立科学博物館でも、福井県立恐竜博物館でも、大阪市立自然史博物館でも、講師が丁寧に講義内容を準備してくれて、古生物の謎についてより詳しく教えてくれました。また、日本の学生と楽しい時間を過ごし、お互いの国の恐竜について学びました。

植樹活動では、環境保護意識を高め、両国の友好関係を深めました。世界の環境が目に見えて改善され、私たちの共通の地球村が保護されることを願っています。また、地震や火災、津波などへの対処法を学ぶ防災活動にも参加しました。私はこの知識を中国の人々に広め、予期せぬ状況下で他の人を助けたり、大災害が起こる前に、死傷者を減らすことができるようになればと思います。日本人の防災意識は心に刻みこまれているので、地震や津波が頻発していても、死傷者数が比較的少ないです。これらは学ぶところだと思いました。

 

◆日本人との交流を通して、彼らが皆熱意を持って丁寧に生活していることが分かり、学ぶものがありました。植樹活動に参加することで、環境保護の大切さや植樹の大変さを実感し、環境保護に取組む人たちをより尊敬するようになりました。今後は皆がもっと積極的に環境保護に取り組むようになると思います。そして、日中青少年交流を象徴するこの「友好の樹」が、元気に成長することと信じています。

今回の活動では、多くの恐竜博物館を訪れ、研究者の紹介に注意深く耳を傾け、多くの新しい専門知識を学び、古生物と恐竜に関するいくつかの誤解を正すことができ、多くのことを得ました。もともと私は基本的な恐竜の種類しか知りませんでしたが、新鮮な感覚で恐竜についてたくさん覚えることができ、知識と人生経験が豊かになりました。将来、日本に来て、恐竜の化石を調べ、日本の友達ともっとコミュニケーションを取り、学ぶ機会があればいいと思います。帰国後、日本の習慣や日本人が恐竜や防災を重視していること、新種の古生物の発見を期待していることを友人と共有したいと思います。

 

◆日本は活断層が多くあり、国土も狭いため、津波や地震などの災害に見舞われることが多いですが、中国ではこうした壊滅的な災害が発生する確率は低いです。このため、中国の小学校から高校まで防災訓練は行っていますが、学生の意識は比較的低いです。日本に来る前は、地震対策の知識は三角形の空間や開けた場所に逃げるということくらいで、心肺蘇生法の重要性や、家に何を置くべきかを知りませんでした。日本の防災に対する重視度と防災知識の普及は、中国の学生にとって参考になると思いました。

今回、東京と福井と大阪にある3つの博物館を訪れたことが、とても印象深いです。日本では、古生物学や進化学に興味があるかどうかにかかわらず、誰もがこの分野の素晴らしさを体感できるよう意図して博物館を建てていると感じました。そのため、展示ホールには、非常に詳細な紹介があり、書籍に記載してある地球の進化に関する知識は、言葉や写真の形で博物館内に展開されていました。この形式なら、誰もが首尾一貫した知識を学ぶことができると思います。帰国したら、こうした博物館のデザインを家族や友人と共有したいです。中国もこのような博物館のデザインと展示から学び、より多くの人々が訪れるようにできると信じています。