新時代を担う日中友好の架け橋に

日本青年友好植樹団

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実施概要

実施期間: 2023年9月25日(月)~9月30日(土) 5泊6日間

派遣人数: 13名(団長、団員9名、(公財)日中友好会館等事務局3名)

実施団体: (公財)日中友好会館

受入協力機関: 在モンゴル日本国大使館

交流のテーマ:環境保護・砂漠化防止

活動概要:・植樹活動

     ・環境保護・砂漠化防止に関するプログラム(視察、セミナー、交流等)

     ・モンゴルの青少年に対する環境にかかる啓発活動(初等・中等教育学校等への訪問・交流等)

主な日程

9月25日(月)

PM モンゴル着

 

9月26日(火)

AM 在モンゴル日本国大使館 訪問

PM 日本・モンゴル学生フォーラム

 

9月27日(水)

AM モンゴル科学アカデミー 地理学・地生態学研究所 訪問

PM 第75番学校 訪問

       モンゴル青年との夕食会

 

9月28日(木)

AM エルスンタサルハイへ移動

PM 地理学・地生態学研究所付属エルスンタサルハイ砂漠化防止実験研究センター 訪問

       植樹活動

 

9月29日(金)

AM ハラホリン市内参観

PM ウランバートルへ移動

 

9月30日(土)

AM 帰国

 

プログラムのハイライト

2022年11月の日本・モンゴル首脳会談での共同声明に含まれている、日本によるモンゴルの「10億本の植樹」国民運動推進に向けた協力の一環として、環境分野を研究する大学生・大学院生をモンゴルに派遣しました。

植樹活動、環境・砂漠化防止に関するプログラムや、モンゴルの青少年に対する環境にかかる啓発活動等を通じて、環境分野における日本・モンゴル間の相互理解ならびに対日理解の一層の促進を図ることを目的として実施しました。

 

モンゴルの環境保護・砂漠化防止に関する研究を理解

モンゴル科学アカデミー 地理学・地生態学研究所と、同研究所付属エルスンタサルハイ砂漠化防止実験センターでは、モンゴルの自然環境に関する多角的な研究状況や、砂漠化防止をはじめとする環境保護の取り組みについて説明を受けました。団員たちは、モンゴルで行われている研究に高い関心を示していました。エルスンタサルハイ砂漠化防止センターでは、植樹活動も行いました。

 

モンゴルの学生・青年と交流

日本・モンゴル学生フォーラムでは、両国の学生が自身の環境保護に関する研究や取り組みについて発表し、その後、意見交換を行いました。またモンゴル青年との夕食会では、日本語を習得しているモンゴルの若者と交流しました。両プログラムともに、和やかな雰囲気の中、親睦を深める深めることができました。

 

モンゴルの青少年に対する環境啓発活動

ウランバートル市内にある第75番学校を訪問し、団員がモンゴルや日本の事例を交えて、環境保護に関するプレゼンテーションを行いました。その後、学校内を見学し、モンゴルの初等中等教育学校の施設や教育に関する理解を深めました。

 

参加者の感想

◆モンゴルの『10億本の植樹』運動について、名前と計画した当初の経緯だけ聞いた時は、日本とは異なり乾燥した気候や草原がメインの植生のため、途方もない計画だと感じた。しかし、研究所の見学や研究者の方々の話より、気候に合った樹種やその育て方を模索し、計画を成功させるための熱意が伝わった。また、ウランバートル市内は車の渋滞が激しく、交流会でご一緒させていただいた方は、そのような交通の課題を改善するために都市計画について学んだと話していた。このように、モンゴルの方々は自国をより良くしたいという思いを強く持っていることが非常に印象的だった。また、モンゴルは若者の割合が多いことも一因だと考えられるが、研究員の年齢層が若く、女性研究員も多く活躍するという点で日本より進んでいるように感じた。

 

◆今回訪れるまでは、乾燥地域というと植生などの多様性が乏しいのではないかと考えていました。ですが、一見草が生えているだけに見えるエリアであっても、その中での植生の違いや昆虫、巣穴の存在からネズミなどの小動物も生息しており、多様な生態系が展開されていることが印象的であるとともに、砂漠化によって一度多様性が失われてしまうと復旧が難しいであろうことも想像することができました。そして、過放牧による砂漠化に、ヤギ(カシミア生産のための)の増加が深く関係していることなど、モンゴルのみではなく、生産物を享受している日本などの他の地域の人も無関係の話ではないことを学びました。

 

◆文献だけでは得られない現地の人の声や具体的な砂漠化抑止の対策を現地の研究者から聞くことができて良かったです。これは、この事業に参加してないと得られない機会だと思うので、有意義な時間を過ごすことができました。

 

◆学生フォーラムではモンゴルの学生のみなさんと交流することができ、環境分野を研究するモンゴルの学生さんがどのような研究や勉強をしているのかを知ることができ面白かったです。私はモンゴルの学生と話をして、自分自身とそんなに変わらない身近な存在だと感じました。今後、モンゴルの人達の暮らしや習慣、考え方をもっと学びたいと思いました。

 

◆モンゴルの文化を守り継承するためにも、遊牧民の生活のサポートが必要であり、日本の農協のような仕組みをモンゴルでも確立することは解決策の1つになり得るのではないかと感じた。遊牧民は業者や消費者と直接取引をしているとのことだったが、遊牧民と卸売業者や消費者を繋ぐ仲介者のような役割があってもよいのでないかと感じた。

エルスンタサルハイの研究センターでは周囲を柵で囲って、家畜の侵入を防いでいた。それによって砂漠化が進むモンゴルにおいて、緑が回復している様子を見ることができた。柵で囲うという単純に思える作業であるが、それで緑を復活させることができたのだと知り、コストを抑えながら緑化に取り組める良い方法だと感じた。

モンゴルでは教育を受ける子どもの割合が高いものの、子どもの人口が多いため、学校に2部制や3部制を設けていることに驚いた。そのために、美術や体育などの副教科の時間が削られていることを知り、日本との違いを実感した。そうした副教科の授業時数の違いが子どもたちの成長に与える影響に興味を持った。以上のことを周囲の人に伝えていきたい。