新時代を担う日中友好の架け橋に

「日中植林・植樹国際連帯事業」2023年日中緑化協力林業青年代表団

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実施概要

実施期間: 2023年10月30日(月)~11月3日(金) 4泊5日

派遣人数: 30名(団長1名、事務局等2名、団員27名)

実施団体: (公財)日中友好会館

派遣団体: 中国国家林業・草原局

内  容:

  ・訪日テーマ「森林経営、林業地区の経済発展」に関する交流、視察

  ・植樹活動

  ・環境に関するセミナー

  ・日本に対する包括的理解促進につながるプログラム等

主な日程

10月30日(月)

PM 来日、都内視察・参観

       歓迎会

10月31日(火)

AM 林野庁ブリーフ

        環境省ブリーフ・意見交換

PM 群馬県へ移動

 

11月1日(水)

AM 川場村役場、(株)ウッドビレジ川場訪問・交流

        川場田園プラザ訪問・視察

PM 植樹活動

 

11月2日(木)

AM 群馬県内視察・参観

PM 東京都へ移動

 

11月3日(金)

AM 都内視察・参観

PM 帰国

 

プログラムのハイライト

本事業は、植林・植樹を通じた日中交流を第一線で担う中国国家林業・草原局及び関係機関に所属する青年を訪日招聘し、植樹活動をはじめ、「森林経営、林業地区の経済発展」をテーマに、環境に関するセミナー、企業や関連施設の視察・交流等を行い、参加者の環境保護意識の啓発と対日理解の一層の促進を図ること等を目的として実施しました。

 

日本の林業政策を理解

林野庁担当者より、「森林・林業・木材産業の現状と課題」というテーマでブリーフィングを受けました。団員は、日本における森林資源の循環利用促進や林業の生産性向上のための取り組みに高い関心を示していました。ブリーフィング後の質疑応答では、「日本政府の林業に対する財政面での支援策」、「日本におけるセルロースナノファイバーと木質バイオマスのコストと開発応用の度合いと範囲」、「森林サービス産業の創出における日本の取り組みと経験」などについて多くの質問が寄せられました。

 

日中両国の砂漠化対策について意見交換

環境省担当者が、日本がモンゴル国にて行っている砂漠化対策事業を事例としたブリーフィングを行った後、代表団団員が中国の砂漠化防止の概況について発表を行いました。その後、両国の取り組みについて活発な意見交換が行われ、有意義な時間となりました。

 

群馬県にて、林業を中心とした地域振興を実践する川場村を視察し、植樹活動を実施

群馬県川場村では、村長より村づくりの施策や取り組みについて説明を受けた後、(株)ウッドビレジ川場と道の駅・川場田園プラザを視察しました。団員たちにとって、農業・林業・観光業を組み合わせた村づくりの施策と実践の現場を視察できたことは、日本の地域振興の事例について理解を深める貴重な機会となりました。また、赤城山国有林では、1人1本、スギのコンテナ苗を植樹しました。

 

参加者の感想

◆林野庁のブリーフを通じて、日本の森林の現状と、日本の森林経営・保護、林業経営、木材産業の発展について理解を深めることができました。特に、生産能力の増強に関しては、道路網と機械化技術の使用を継続的に改善するほか、エリートツリーの導入や、低密度植栽などの対策を採用してコストを削減することで、短期的および長期的な利益を考慮し、経済的、生態学的、社会的メリットのある状況を実現しています。帰国後も学び続け、林業・草原事業の後継者になれるよう努力します。

 

◆環境省ブリーフの感想:防砂・治砂という点で、日本に砂漠化地域はありませんが、日本政府は国連の砂漠化対処国際条約履行に向け、モンゴルにおける防砂・治砂事業を実施し、サクサウール(乾燥に強い樹種の一つ)の植林により、モンゴルの砂漠化防止事業において一定の成果を上げています。その結果がさらにまとめられ、公表されることで、世界中のより多くの草原砂漠化地域の参考となり、それらの地域との協力の下、砂漠化防止事業が徹底して実行されることを期待しています。

 

◆今回訪れた川場村は、日本の農村経済と観光を融合させたモデルです。現在、中国の農村部も日本と同様に、農村人口の流出と農村経済発展のジレンマに直面しており、川場村の(株)ウッドビレジ川場と川場田園プラザの成功体験は、中国の農村経済活性化に向けた新しいアイデアと発展の方向性を与えてくれました。高速道路を走る車両が必ず通過するサービスエリアで地元の特産品を宣伝し、先に豊かになった者が貧しい者を助け、それから互いに補い合うことで、最終的にどちらも裕福になることができています。

 

◆林野庁のブリーフでは、日本が推進する、生産能力向上のための「新しい林業」について学び、群馬県での植樹活動では、コンテナ苗植栽の便利さとスピードを体感することができ、北京の林業のスマート管理化を向上させる上で、非常に刺激を受けました。北京の林業も日本と同様に森林再生や自然教育などの森林サービスを展開していますが、いずれも初期段階で、特に森林再生は共同研究や発展の余地が大きいです。環境省のブリーフで紹介された、モンゴルの砂漠化を抑制するための日本の取り組みも、その国際協力と友好の精神を、私たちも学ぶ価値があると感じました。

 

◆日本への研修訪問は5日間という短い期間でしたが、それでも私は深い感銘を受けました。今回、日本の名所旧跡や農村整備についての視察・参観などを通じ、日本の風俗や慣習を深く理解することができました。中国と日本は一衣帯水の友好隣国であり、両国間の交流は数千年続いています。両国の人的交流が今後も健全に発展し、アジア地域の平和、安定、経済発展のために共に貢献していくことを願っています。