新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2023」中国青年公益事業交流団 第1陣

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実施概要

招聘期間: 2023年10月22日(日)~10月28日(土) 6泊7日

招聘人数: 95名(団長1名、分団長2名、秘書長1名、事務局等6名、団員85名)

実施団体: (公財)日中友好会館

派遣団体: 中国宋慶齢基金会

内  容:

  ・テーマに関するセミナー、交流、視察

  ・日本の経済・社会・文化・歴史等に関する視察・参観

  ・日本に対する包括的理解促進につながるプログラム等

主な日程

10月22日(日)来日

 

10月23日(月)歓迎会

 

※10月23日(月)~10月27日(金)3つの分団に分かれ活動

 

1分団(テーマ:農村発展)

10月23日(月)

  テーマに関するセミナー、都内視察・参観

10月24日(火)

  群馬県へ移動群馬県ブリーフ、臨江閣参観

10月25日(水)

  こんにゃくパーク視察、日本文化体験、道の駅まえばし赤城視察

10月26日(木)

  (一社)富岡市観光協会富岡まちなかガイドの会交流、(一社)片品村観光協会ブリーフ・交流

 

第2分団(テーマ:幼児教育)

10月23日(月)

  ギャラクシティ視察、テーマに関するセミナー

10月24日(火)

  白梅幼稚園視察・交流、栃木県へ移動、とちぎ山車会館参観

10月25日(水)

  (福)ともの会 あさひの保育園視察・交流、日光東照宮参観

10月26日(木)

  大谷資料館参観、民泊体験(栃木県大田原市)

 

第3分団(テーマ:ボランティア活動)

10月23日(月)

  テーマに関するセミナー、(公財)日本財団ボランティアセンター交流

10月24日(火)

  熊本県へ移動、日本文化体験、水前寺成趣園参観

10月25日(水)

  (公財)阿蘇グリーンストック視察、民泊体験(熊本県阿蘇郡南小国町)

10月26日(木)

  民泊体験(熊本県阿蘇郡南小国町)、(一社)観光ボランティアガイドくまもとよかとこ案内人の会交流

10月27日(金)

  東京へ移動、歓送報告会

 

10月28日(土)

  帰国

 

 

プログラムのハイライト

本事業は、中国の政府機関や企業で公益事業・ボランティアに従事する青年等を訪日招聘し、分団別テーマである「農村発展」「幼児教育」「ボランティア活動」の視察・交流等を通じて日本の同分野への理解を深めるほか、日本の青年との親睦や、日本の経済・社会・歴史・文化等が体験できる施設等の参観を通じて、対日理解の促進を図るとともに、日中間の友好関係を強めることを目的として実施しました。

 

農村発展、幼児教育、ボランティア活動について理解を深める

第1分団は、過疎化問題等、農山村地域における課題やその取り組みについて講義を受けたあと、群馬県へ移動し、県庁のほか甘楽市、富岡市、片品村等を訪問し、世界遺産や特産品など、それぞれの地域資源を活用した特色ある地域づくりについて学びました。第2分団は、「なぜ遊びと玩具が重要か」というテーマのセミナー受講及び「遊び」を中心とした教育を行う白梅幼稚園、遊びながら学べる体験型施設のギャラクシティの視察を通じ、遊びがいかに子どもの可能性を伸ばすために重要かを体感しました。栃木県のあさひの保育園では、集団生活の中で人間関係や社会性などを学ぶ教育を行う現場を視察し、日本のさまざまな取り組みを学びました。第3分団は、東京で日本のボランティア活動の現状や今後の方向性などについてのセミナー受講、ボランティア経験者との交流を行い、熊本県では自然保護の取り組みとそれを支援するボランティアについて学び、希少植物保護のためのボランティア活動体験をしたほか、熊本城のボランティアガイドとの交流を行いました。これらの活動を通じ、日本人のボランティア意識の高さやボランティアが社会や環境改善に大きな役割を果たしていることを学びました。

また、それぞれ地方で日本文化体験や民泊体験を行い、地方の魅力を感じ、日本の市民とも触れ合いました。

参加者の感想

第1分団

◆群馬県では、自治体職員やボランティア、自営業者と交流し、日本の農村・農業発展の現状を総合的に学びました。中国と日本は、高齢化やさまざまな理由による農村集落の減少、農村教育の問題等、共通の問題に直面しています。今回の活動を通じ、農村に移住した人への補助金や新規農業参入者への政策的・財政的支援等、農村定住者を増加させる効果の高い施策を行っていることを知り、日本政府が農村農業の問題に尽力していることを感じました。今後、さまざまな交流活動に参加する機会が増え、多角的な視点から日本社会について学ぶことができればと思います。

 

◆1.2つの講演を聞き、中日両国とも人口と農村発展の問題に直面しており、互いに学び、交流する価値がある箇所が多くあることを実感しました。

2.「道の駅」の概念を初めて知りました。観光客の憩い、情報発信、地場産業の振興という3つの機能を同時に兼ね備えていなければ「道の駅」とは呼べないということでした。農村産業の活性化と地域振興のための新たな視点と実践的な経験を得ることができました。

3.日本各地には、それぞれの特徴があり、片品村では美しい田園風景の魅力を感じました。中国の美しい村も地元の産業や文化の長所や特徴を活かし、魅力を宣伝していくことを願っています。

 

◆形式が異なる講義や活動を通じ、日本の農村の現状や問題点、対策について、多角的に深く理解することができました。道の駅の視察はとても印象深く、日本の環境保護への重視も尊敬に値し、学ぶ価値がありました。同時に、訪日団の他の団員と一緒に学び、話すことで、中国の農村発展の状況についても理解を深めました。今回の活動では大きな刺激を受けました。文化芸術を通じて中国の農村発展の活性化に貢献できるよう、今後の仕事ではこの点に特に注意を払っていきたいです。また、将来これらの分野における日本の専門家や実務家と交流する機会が増えることを願っています。

 

第2分団

◆セミナー講師から日本の幼児教育の歴史、現状、特徴、今後の動向について説明を受け、中日両国の幼児教育の共通点と相違点について、より深く理解するきっかけとなりました。「子ども中心」の白梅幼稚園とあさひの保育園を訪問し、どちらも「生きた教育」という理念を掲げ、子どもの特性を尊重し、子どもの自主性に注意を払い、特に子どもの情操教育において、生活や自然に寄り添い「心の育み」など、独自の実務経験と革新的なアイデアがあり、とても参考になりました。幼稚園や保育園の教育活動において、日本は伝統文化や伝統的礼儀作法の教育指導を重視しており、これは国民全体の資質の向上に極めて重要な役割を担っていると思いました。日本は公衆衛生と環境保護の意識レベルが高く、国民は健康と環境保護に対して強い意識を持っていると感じました。

 

◆幼児教育をテーマとした分団に参加し、教育における概念や文化の似ていることや異なることを学び、園長先生の丁寧な紹介を通して、子どもたちの一日の生活の細部の特徴や段取りを具体的に理解することができました。特に細部の内容がとても良く、学ぶ価値がありました。しかし、国の状況が異なるため、それらの多くは簡単に実施できるものではありません。それでも現地の状況から学ぶことはあります。今回の訪問では、日本の文化と中国の類似性を感じ、中国と日本の友好関係は、教師自身が職務を通じて正しく客観的に導く必要があると感じました。ホストファミリーの温かい歓迎は、地元の人々の親切さ、素朴さ、誠実さを感じ、たった1日でも十分温かさを実感しました。機会があればまた訪れたいと思います。

 

◆今回、児童の体験型複合施設、幼稚園、保育園の視察や幼児教育に関する講義聴講、地方での民泊体験、文化施設や無形文化遺産の見学を行いました。濃密で充実した時間を過ごすことができ、日本社会、特に幼児教育については身をもって経験しました。幼稚園での子どもたちの自立心や問題解決能力の育成方法は非常に印象深かったです。白梅幼稚園で行われていた、子どもたちが自然に触れながら、簡単な材料で自分のおもちゃを作るという方法は、とても参考になりました。3歳未満児の保育に関する施策や実践は、家族の負担をある程度軽減することができるということを知り、刺激を受けました。

 

第3分団

◆セミナー講師から日本におけるボランティア活動の実施状況を聞き、日本人のボランティア参加率に驚きました。参加率26%という数字はボランティア活動の発達を示しています。4人のボランティア経験者との交流では、彼らが年齢や危険を顧みず、献身的にボランティア活動に取り組んでいることに感銘を受けました。今回の活動で一番印象に残っているのは、公益財団法人グリーンストックでボランティア活動について学んだことです。農村地域で公益事業を実施するにあたり、如何にボランティアの力を発揮させているか知りました。ボランティア活動は、知らない人同士を結びつけ、共通の目標に向かって一緒に行動します。ボランティア活動は、報酬や損得を勘定に入れず、愛と幸せという報酬を得ることができます。ボランティア活動に国境はなく、より多くの人がボランティアに参加し、調和のとれた美しい生活環境を作るために、共に努力することを願っています。

 

◆今回の活動で印象に残ったことは沢山あります。一つ目は、ボランティアが社会で果たし続ける役割や、ボランティアコミュニティの多様化等の問題に対する日本の取り組みです。セミナー講師から日本では障害者もボランティア活動に参加していることを聞きました。障害者のボランティアがいることは、障害者同士助けになると思います。例えば、聴覚障害者が、馴染みのない言語に対する緊張や恐怖を克服し、手話を使ってコミュニケーションをとれるからです。これは私たちのボランティア活動にとり、非常に刺激になります。

二つ目は、熊本での民泊体験です。洋食店を営む老夫婦が出迎えてくれ、素晴らしい食事を用意してくれました。また、温泉にも行き、日本の温泉文化を体験しました。言葉の壁が多少あり、語学力の向上に向け、これから若者が努力する必要があると感じました。しかし、人と人との交流は、笑顔やボディランゲージがあれば、言葉の壁を越えた感情を感じることができます。ホストファミリーとの別れの際に、お互いの健康と仕事の成功を願い、長い時間抱き合いました。特定の相手と深い感情的なつながりを持てるかどうかは、コミュニケーションがすべてと感じました。

 

◆ボランティア活動をテーマに東京と熊本のボランティア団体のスタッフとボランティアの方々と直接交流し、日本のボランティア活動のレベルの高さに感銘を受けました。日本のボランティア活動の発展性の高さ、ボランティアの中でも特にシニアボランティアの熱意、現在の日本の社会発展プロセスにおけるボランティアが果たす役割の大きさに感嘆せずにはいられません。日本におけるボランティア活動の本質は、人々が自ら起点に立ち、人類の未来を共にするコミュニティ作りを推進し、国の平和と発展のための具体的な取り組みだと感じました。より良い生活、より良い世界を求める日本人の探究心や熱意は賞賛に値します。また、今回の活動を通じて、帰国後は余暇時間を利用し、より多くのボランティア活動を行い、中国の社会発展に貢献したいという決意を新たにしました。国と国との友好は人と人の繋がりであることから、まず自ら中日両国の人々の友好交流を進めていきたいと思います。