新時代を担う日中友好の架け橋に

「JENESYS2023」第二十五回中国教育関係者代表団

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実施概要

招聘期間: 2023年11月14日(火)~11月18日(土) 4泊5日

招聘人数: 30名(団長1名、事務局等2名、団員27名)

実施団体: (公財)日中友好会館

派遣団体: 中国日本友好協会

内  容:

 ・訪日テーマ「新しい学びと授業革新」に関する交流、視察

 ・日本の教育に関するブリーフ、教育関係者との懇談

 ・小学校・中学校(中高一貫校)の訪問、授業参観、教職員との交流

 ・日本に対する包括的理解促進につながるプログラム等

 

主な日程

11月14日(火)

   PM 来日

          都内視察・参観

          歓迎会

11月15日(水)

   AM 青山学院中等部 訪問・視察・教員との交流

   PM 文部科学省ブリーフ

11月16日(木)

   AM 愛知県へ移動

   PM 愛知県教育委員会との懇談会

11月17日(金)

   AM 豊橋市立羽根井小学校 訪問・視察・教員との交流

   PM 東京都へ移動

          歓送報告会

11月18日(土)

   AM 日本文化体験

   PM 帰国

 

プログラムのハイライト

本事業は1996年度より継続する教育関係者の招聘事業で、25回目となる今回は、「新しい学びと授業革新」をテーマに、中国の小・中・高等学校の教員並びに教育関係者を訪日招聘し、各種教育機関への訪問・視察等を通じて日本の教育について理解し、日本の教育関係者と交流を図るほか、日本に対する包括的な理解を促進することを目的として実施しました。

 

日本の教育現場を理解する

都内では青山学院中等部、愛知県では豊橋市立羽根井小学校を訪問・視察し、関係者と交流を行いました。青山学院中等部では、生徒の自主性を重んじる日本の教育への姿勢について、羽根井小学校ではICT機器の特性を活かした学習活動を学びました。同じ教育現場で働く日中の教育関係者同士、意見交換をし、両国の教育について理解を深めました。

 

日本の教育制度を理解する

文部科学省のブリーフ聴講や、愛知県教育委員会との懇談を行いました。文部科学省のブリーフでは教育振興計画を制定する目的や、日本の教育の礎を大切にしつつ、社会の変化に対応する力を育むための教育計画について、愛知県教育委員会との懇談では、愛知県独自の政策である「ラーケーション」を学び、幅広く日本の教育制度について理解を深めました。

 

参加者の感想

◆この交流を通して、日本の生徒は小学生から中学生まで、とても熱心で礼儀正しく、大らかで生き生きとしていることがわかった。学校での学習は、生徒にとって楽しいことのようだった。学校訪問を通じて、日本のさまざまな教科でのICT技術の応用が非常に成熟しており、教師と生徒はこの情報技術をよりよく使用して教え学ぶことができていることがわかった。

 

◆数日の訪問交流を通して、日本の長い歴史と文化、そして現在の教育理念について、より理解を深めることができた。文部科学省の講義、愛知県教育委員会の講義、日本の小中学校訪問など、とても刺激を受け、得るものがあった。中でも私が最も感銘を受けたのは、日本が提唱する、個人差を尊重し、自主的で双方向の深い学びを促進し、生徒一人ひとりが成長できるようにする教育理念である。日本の生徒は成長の機会が増え、単に点数で判断する評価システムに縛られることがなく、この教育理念のもとで、生徒は自分の特性に合った、より多様な発展を遂げることができる。この人間本位の教育理念と、この考え方のもとで、日本の教育者一人ひとりが努力し探求してきたことは、私たちの学びに値するものだと感じた。

 

◆日本の教育はインクルーシブでオープンで、一人の子供も見放さず、子供の個性的で協調的な発達を尊重し、あらゆるレベルのカリキュラムがとても多彩で、さまざまな分野が統合され補完し合っているので、私は多くの刺激を受け、自分の所属する学校には、まだたくさんの改善の余地があると考えさせられた。また、先生方の子供一人一人への気遣いや特別な指導を存分に感じ、教師の大きな責任と神聖な使命を実感した。日本では、基礎教育の情報化が普及し、資源も豊富だが同時に、フィードバックの仕組みが多様化していないことや、的を絞った評価の仕組みがないことなど、いくつかの欠点もあると感じた。

 

◆視察・交流の中で、青山学院中等部と豊橋市立羽根井小学校は、生徒の主体的な学び、相互学習、深い学びの能力を養うことに大きな注意を払うとともに、幼い頃から生涯の計画を立て、問題に直面したときに問題を解決する能力とスキルを向上させることにも注意を払っていると感じた。日本の教育は、小学校1年生から、生徒が興味を持っている問題を課題という形で学習させ、それを解決するために必要な重要なスキルを学んでいる。自立した生活力、料理、家事等の能力に注意を払い、子供たちの生涯にわたる発達のための良い基盤を築いており、興味を育てることに重点が置かれていることを学んだ。